
ビジポコの藤田です。
第一回は、「価値とは何か」という話でした。
第二回は、少し概念レベルを変えて、「D2C」をテーマにお届けしようと思います。
今や、世界はオンラインでつながってしまいました。少し前まではグローバル化が、最近では感染症の蔓延で人と人との直接の交流が遮断されオンラインに乗り出しました。いよいよマーケティングの『イノベーター理論』でいうところの、レイトマジョリティからラガードにかけてが、オンラインでのビジネスに参入しつつあります。
つまり、インターネット上の商売に慣れていない人たちも、「オンラインで売ろう」と考えるようになったのです。
もくじ
大ブームのD2C
そして、D2C(Direct to Consumer/Customer)も大ブームです。これまで、Amazonや楽天市場やヤフーショッピングといった巨大モールでの販売を行っていたネットショップが、モールに出店手数料を払っていた予算を、思い切って集客コンテンツやマーケティングに投下し、自力で集客を行うというものです。
巨大モールは、率直にいって手数料が高いです。また、モール内の競争も激しく、モール内広告費もかかります。モールへの出店は、うまくハマれば集客力は抜群です。ただし、商品開発力に優れていないと、ありふれた商品ではすぐに真似されてしまう上、顧客はすぐに“より安い”や“お得”を求めて他に移り気を起こしてしまいます。
それなら、自社でブランディングして集客し、ロイヤリティの高い本当の顧客を。
と考えるのは必然です。D2C大ブームの裏側には、集客とブランディングへの深い悩みがあるのです。
D2Cの落とし穴
集客に苦労する
ただし、インターネットでの販売やD2Cには、大きな落とし穴があります。それが、ECのネットショップを作るのは簡単でも、集客にとてつもない労力がかかる、という点です。
「補助金をもらって、ネットショップを構築したが、全く売れない。誰も買いに来ないし、興味本意で見に来ても帰ってしまう」という話は、それはもうあちこちにあります。砂漠で詩集を売るかのように、ずっと呼び込みを続けても、お客様はスルーしていきます。また、本当にその人たちがお客様かどうかもわからないのです。
コンサルの見分け方に苦労する
では、「集客コンサル」に依頼してみたらどうでしょうか?世の中には、コンサルタントという教える職業の方が大勢いるので、「どこかで見つけた集客の専門家に依頼すれば、あとは寝ていてもネットショップが売上を運んでくれる・・・だって、集客のプロにお金を払ったから」と考えがちです。
しかし、ここにも落とし穴があります。それは
どの集客コンサルが本当のコンサルなのか、見分けがつかない
という点です。
みんな、自分は一流だと誇りますし、実績も提示してくれます。また、評判がいい人もいますし、紹介してもらうことだって可能です。
ただ、問題は、その人が、自社に合っているか、自社の商材を売るのに適した知識と経験とを備えているか、は最初からは見抜けないということです。
誰が“本物”で誰が“詐欺師”なのか―――
この課題を考えるとき、コンサルタントとはどのような職種か、という話になります。「本を2、3冊読んでそれっぽくしゃべる人」というコンサルへの揶揄がありますが、ある意味当たっており、問題はその2,3冊の選定が抜群にうまい人たちだ、ということです。
つまり根拠を持って話せるということで、とくに正解のないプロジェクトの場合、ファクトがないと相手が理解してくれません。少ない情報源で、深い議論をするために、相手が理解できてなおかつ「それは違う」といわれない情報源を持つ人たちをコンサルと呼びます。
地域集客と異なる、インターネットでの競争
そして、インターネットで集客するとき、地域集客とはある一点で大きく異なります。それは、日本中の一流店が競合となる点です。従来の地域集客とは異なり、「地域一番店」では、全国の一番店の中で埋もれてしまうのです。
つまり、インターネットで販売したいなら、何かで頂点に絶たねばならず、競争相手は全国およびグローバルです。地元の集客よりも遙かに苦労します。
そこでお金を捨てないためには、何かでナンバーワンになることが大切です。徹底的に「尖る」わけで、総合商社的ではなく、何かに特化した、差別化でNo1になる必要があります。
宝くじが当たった話に左右されない
さらに大切なことは、「宝くじが当たった話」に引っ張られないことです。世の中には成功法則があふれ、不景気が進むほど「稼ぎ方」の本が並びます。また、ノウハウを授けようとしてくれる方も多く、情報は価値なのも相まって、セミナーや稼ぎ方講座も大人気です。
ただ、そうした成功者のノウハウには、「宝くじに当たった話」が多く紛れています。つまり、偶然の産物で成功しており、再現性がなく、ただ聞いて「ふむふむ」「すごいなあ」「勉強になったなあ」で終わってしまうのです。
話を聞いて、「勉強になったな」で終わらせないためには、少し抽象度を高めて、概念レベルで理解する必要があります。
・得た情報の概念レベルを一段階上げて、”メタ”で理解する
・”メタ”から、仮説を構築する
・仮説を実際の施策に落とし込む
・落とし込んだ施策がどの程度の反響があったか、計測する
PDCAと呼ばれる、改善サイクルの先頭に位置づけるのです。このステップを踏めば、「ふむふむ」で終わることはありません。
ただし、この抽象化には、いくつかの注意点もあります。
メタレベルは一段のみ
世の中にはとても頭のいい人が大勢います。ただ、頭の良すぎる人の特徴として「何を言っているかわからない」という特徴が挙げられませんか?それは、概念の理解が、メタ=メタ、と、メタをさらにメタにして、二段階のメタになっているのです。つまり、抽象化のレベルが、一段高いのです。
これだと、話がわからなくなりますので、メタ、抽象化は、一段だけにすると、一般の人と話が通じやすくなります。
結果(失敗)とちゃんと向き合う
さらに、今度は反対に、頭が良いと言うよりは行動派の人への注意点です。メタレベルで理解して、仮説を立て、行動に落とし込んだあと、ちゃんと振り返りがないといけません。自分の打った施策を投げっぱなしにするのではなく、振り返ってさらに仮説を立て、どんどん精度を上げていく必要があります。そうしないと、いつまでもボールを投げているだけ、バットを振っているだけで、乱暴に振り回した結果、ホームランが出た、ということになり、野球ではなくなってしまいます。
それは本当に”野球”が成立しているのか?
そして、この章の最初の、「宝くじが当たった話」になっていないかということもちゃんとチェックしなければなりません。つまり、最初の理解が、宝くじの当選話や数秘術、バットを振り回してのホームランではないということを、ちゃんと理解してから進める必要があります。
まとめ
今回は、D2Cとコンサルタントの話になりました。メディアやソーシャルメディアできらびやかに語られるD2Cも、実のところ失敗例・撤収例は非常に多く、悩みの深い世界であることは事実です。
ではそこで、ビジポコがお役に立てることは何なのか。今回はあくまで序章として、うかつなコンサルタントにハマって、時間を浪費してしまわないために、お伝えしてきました。北海道で海産物を豊洲市場に卸す両親を持つ、藤田自身も、非常に興味ある分野ですので、これからどんどんD2Cについても発信していきますので、どうかよろしくお願いします!