【DX最前線】アクセンチュアが先頭!オフィスワーカーはブルーカラーから学べ。

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こんにちは。

犯人はヤス。でお馴染みのBizpoko編集長の河上泰之です。

 

今回は、アクセンチュアがDXの最先端を爆走しすぎていて、どこの法人も追いつけないのではないか。

そんな予感、いや、悪寒が走ったので、初夏のクーラーがわりに彼らの物語を届けする。

 

DX、デジタルトランスフォーメーションが叫ばれるなか、コンサルティングビジネスをデジタル化し、世界最高峰を走る。

そんな彼らをレポートしながら、さらにその先の鏡の中の異世界を、編集長が語り尽くす。

 

アクセンチュアとの情報交換

昔から熱いコンサルティング会社の代表格、アクセンチュア。

アクセンチュアは現在、大きく4つの組織からできている。

「ビジネスコンサルティング本部」

「テクノロジーコンサルティング本部」

「オペレーションズコンサルティング本部」

「インタラクティブ本部」

 

今回は、オペレーションズコンサルティング本部の方と情報交換。

簡単に組織の概要をお伝えすると、いわゆるBPO:ビジネス・プロセス・アウトソーシングの専門部隊だ。

BPOは何かというと、企業内で発生する業務を引き取る(外注してもらう)お仕事だ。

 

コンサルティングといえば、戦略コンサルだろ、とか新規事業コンサルだろと思うあなた。

それは甘い。

明らかに一番熱いのは、BPOだ。

 

2017の編集長ヤス。の妄想と、奇跡のアクセンチュアの恐怖

河上がIBMにいたときに、社内で騒いでいたアイディアがある。

当時、コンサルタントとして働いていたのだけれど、どのプロジェクトでも必ず、ある問題がある。

 

それは、お客さんが忙しくて時間がない、という問題。

 

契約していながら、時間がないと言うのはどう言うことだ!と思っていたけれど、お客さんの視点から考えれば、忙しいから雇っているわけで。そりゃあ時間ないよね、と。

一方で、きちんと時間をかけたほうがいいプロジェクトも、もちろんある。

 

例えば、新規事業検討。

コンサルタントがお客さんのかわりに顧客インタビューに行くのだけど、本当は参加した方がいい。

コンサルがメインで話すにしても、顧客がどんな表情で話すのかを見て、感触を感じった方が、社内で提案するときにも力が入る。

でも、そんなときに限って参加いただけない。

 

なので、本当はコンサルティングとセットで、BPOを売るべきなのだ。

誰がやっても同じような雑務はBPOに任せてもらえれば、お客様は手が空きより価値の高い仕事を行えるようになる。

 

では、BPOを受けたIBMでは何をすべきなのか。

当時話していたのは、たったの一言。

 

「BPOで受けた業務、全部RPAとかでやっちゃえば爆益じゃん。」

 

これが成り立つのかというと、実は、普通にシステム開発をするより遥かに簡単にできる。工数でいえば、1%の労力でできるだろう。

なぜなら、BPOとして業務を受け取れば、前の部署から受け取る情報が確定し、次の部署に引き渡すための情報も確定する。

その間の処理ロジックもある程度は教えてもらえるので、それを全部システム化するだけでいい。

そうすれば、24時間365日、一言も文句を言わないオフィスが出来上がる。

 

IBMという会社は、残念ながらこのビジネスをやらなかった。

 

ただ、アクセンチュアはこれを実現していたのだ。

ACのオペレーションズは、これをBPO+DXと呼称していた。

世界最大規模のBPO企業としてすでにBPO+DXを確立し、圧倒的に少ないコストで、顧客から引き取った業務をこなしている。

コンサルティング会社で、受けた業務を自動化して社員の手が空くと何がおこのだろうか。

 

もちろん、新規顧客の開拓もできるし、元気なまま既存顧客へのレポーティングができる。

単純に担当者が、定期的にレポーティングするのではない。

ゴリゴリに話せるコンサルタントが、中期経営計画の目標達成と現状の乖離を整理したうえで、次に何をすべきか、他にどんな業務を自動化できるのかを顧客と会話していけるのだ。

BPOで情報の授受をしているので、基幹システムとの絡みもわかるし、前後の部署との関係性も築ける。

これを繰り返していけば、企業は最高度にコストカットできた状況で、基幹システム周りが一気にスッキリしていく。

ここに、他社が入り込む余地はない。

 

そして、アクセンチュアは業務を引き受ければ引き受けるほど、どんどん低コスト化し、ますます利益率が高まる。

 

これが続くとどうなるのか。

日本人が日本でビジネスをすればするほど、業務が回ってアクセンチュアが儲かり続ける世界が出来上がる。

誰のために、日本人は仕事をすることになるのだろうか。

 

どうだい。アクセンチュア、最強だろう?

感心すると同時に、背筋が冷たくなるのは、僕だけだろうか。

 

2021の編集長ヤス。の妄想:ホワイトカラーは、ブルーカラーに学べ

アクセンチュアが実現してきたことは、本当に驚異的なことだ。

しかし見方を変えれば、単純に機械化したに過ぎない。これは、Amazonの倉庫をロボットが走り回っているのと変わらない。

ここまでは実現されていること。

ここから先に書くことは、誰も気がついていない、鏡の中の異世界のことだ。

僕が時々使う、「鏡の中の異世界」

これは、日常的にみんなが目にしているものを、見方を変えるだけで全く別の世界に変わることをいう。

この記事でも、異世界を覗きに行ってみよう。

今日の異世界へのチケットにはこう書かれている。

【ホワイトカラーは、ブルーカラーのマインドを学べ。】

少し、考えてみよう。
工場を作るときに、そこで働く工員にヒアリングをし、導入する機械のメーカー選定や、ボタンの色やサイズの変更指定を聞き、ワンオフに近い状態にまで作り込む。

バカジャネーノ?と思ったヒト。僕も同じ感想です。
でも、日本のシステム開発では、これが起こってます。
ホワイトカラーの”お気持ち”を汲み取ることを要件定義といい、作っている。

SAPやオラクルをカスタマイズするは当然だし、SaaSとして提供されるアプリにも、自社業務に合わせろと平気に要望を出す。

誰が、日本の小さな1社のために追加開発をするのだろうか。彼らが相手にしているのは、世界だ。時代は変わっているが、クライアントは頭が追いついていない。

そう、鏡の中の異世界ではこんなことはもうしない。
工場と同じように、システムを作るのだ。

そこの部署、業務に求められる生産性を定義し、それを満たすマシンを選び、機械化できない部分だけ、もしくは人間を使った方が安い部分だけ人間が行う。そういう世界。

 

この世界で何が起きるのかをもう少し見てみよう。

現在手元にある業務マニュアルはとても分厚く、キングファイルに閉じられていたり、PDFで持っているだろう。この業務マニュアルは、人間が作業することを前提としたマニュアルだ。

鏡の中の異世界で作られる業務マニュアルは、機械:システムが行えない部分のみを人間が行う。完全に機械中心で作られた業務マニュアルになる。

みなさんは、テレビでこういう映像を見たことがあるだろうか。コンビニ弁当のラインで、中身を詰める作業をしてくださっている映像を。

そういう仕事が、ホワイトカラーでも当たり前になる。カチカチとクリックをするだけの仕事だ。人間が手作業で情報を集計して資料を作る、といったことはなくなる。

あなたの会社でも、各支店からの営業進捗情報の吸い上げを人間が行い、業務を引き継ぐために、人間が業務をすることを前提とした業務マニュアルの更新が行われていないだろうか。それは、鏡の中から見ると、笑ってしまうぐらいに緩い仕事だ。

 

さて、こんなことはディストピアで、成り立たないと思うだろうか。

決してそんなことはない。

ベンチャーはこういう思想で業務ができている。無料で使えるシステムやアプリが前提となっていて、それを人間がポチポチする。例えば、アンケートを取るときに、当然のようにGoogle formsや、Microsoft Formsを使う。集計は自動だ。

だから圧倒的に強い。

 

そうは言っても、日本の大企業が、ポチポチするだけの仕事をするわけがない、と思っていないだろうか。

いいや違う。

大企業は高齢者雇用や、障害者雇用をしろと法律で決まっている。彼らでさえ簡単にできる、ポチポチ業務。ものすごく魅力的なはずだ。

 

例えば、東京電力グループ。

孫会社に請求書の発行を担当する、機能会社がある。そこで雇用しているのは一般の人だ。

一方で、法律で決まっている障害者雇用促進として雇っている方々は、例えば本社周りの花壇に花を植えている。

もちろん花を植える仕事も大切だ。でも、請求書発行がシステムを前提とした仕組みに切り替わり、障害者のみなさんでも簡単にできるまでに簡素化されたとしたらどうだろうか。

どちらの方が、人件費が安く、必ず雇わなければならない人材を活用するとしたら、機能子会社は現在の形で残るだろうか。僕は、残るとは思わない。

 

そしてもうひとつ、出世したくないが、年収2000万円欲しい若者。彼らにとって、鏡の中の異世界は心地よいのだろうか。

心地よいはずだ。

 

いまの中間管理職になりたてはこういう状況だ。

上司のご機嫌を伺い、飲み会に駆り出され、部下の育成や反発に悩み、自分で影響力はほとんど感じらなれい。そして給料も大して上がることなく、管理職だから残業代もつかない。

誰が、こんな状況になりたいのだろうか。

 

鏡の中の異世界は、ガラリと変わる。

RPAをデジタルレイバーと呼ぶが、まさにデジタル部下が大量にできるのだ。育成は自分がロジックを組めば確実にできる。愚痴も悩み相談もない。自分がシステム化すればするほど、自分の貢献が拡大していく。

ヒト1人で、50人分の業務をこなすことも簡単にできるだろう。チームの懇親会を企画することなく。

50人分の仕事を一人でできるようになると、給料はどうなるのだろうか。例えば、500万円の人間が50人いれば、年間の人件費は2.5億円になる。

それであれば、デジタル部隊のリーダーに年間2000万円支払ってもお釣りがくる。5000万円払ったっていい。

これを、出世したくないという若者が断るだろうか。

 

RPAやデジタル化は、DXではない

ここまでRPAという単語を何回書いたかわからない。

誤解してほしくないのは、RPA導入などは間違ってもDXではない、ということだ。

IBMでRPAやWatsonを売っていた僕がいうのだから、間違いない。

IT企業は、顧客のDXの支援ができないことを誤魔化すために、RPAやハンコのデジタル化をDXだというが、あれは嘘だ。

DXで重要なことは、人間の体験を変え、利益を増やすことだ。

これまで語ってきたアクセンチュアのBPO+DXや、鏡の中の異世界を思い出して欲しい。

単純なことだが、圧倒的に高い利益率を叩き出すはずだ。

 

アクセンチュアにはもう、鏡の中の異世界を話している。

そして、今この記事を読んでいるように、日本語が読めるビジネスマンは鏡の中の異世界を知ってしまった。

あとはこれを誰が、世界最速で実現し、儲け始めるかだけだ。

 

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ではまた、次の投稿でお会いしましょう。またね!

編集長ヤス。

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