“フリーランス立場が弱すぎ問題”をデザイン思考で解決

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ビジポコ編集長に、デザイン(役立つ)な考え方を教わろう!のコーナーです。

 

フリーランスという働き方を選ばれる方が増えました。

また、法人成りして一人社長、一人親方になられる方も。

Webでも実社会でも、受託してお客様からお仕事をもらうという選択をなさる人は多いです。

しかしそこである問題が起きます。

 

「立場弱すぎ問題」

 

クライアント相手に言えないということ。萎縮してしまって、契約を切られたり、悪評がでたりするのを恐れ、何も言えないという問題が発生します。

 

一方、中堅クラスになってくると、今度は「言い過ぎる」という別の問題が生じます。仕事を通じて自信をつけた結果、自分なりの常識に当てはまらない相手をボコボコにして、ケンカ状態になってしまうのです。

 

法律を振りかざすのではなく、自分が損することなく、そして相手も気持ちよく良質な関係を築いていくために何ができるか。今回のビジポコはこの問題をデザイン思考で解決に乗り出します。

 

かけだしフリーランスの言えない問題

 

まずライター個人の体験談で恐縮なのですが、駆け出しの頃、1本1,000円で1,000文字書く。つまり文字単価1円の通称“1円ライター”でした。1本1,000円で書かせてもらって1日5~10本書き、毎日繰り返して生計が成り立つようになったのです。

 

しかし私はあることをクライアントに言えませんでした。ランサーズというマッチングプラットフォーム上で、ランサーズの“中の人”から仕事をもらっていたのですが、追加発注があるたびに「追加払い」で先方がシステムを動かし、システム上の新規プロジェクトを立ててくれなかったのです。

 

これはどういうことかというと、「新規プロジェクトを立てない=評価数がたまらない」ということでした。駆け出しだった私は、評価数(実績数)を少しでもためて、他のお客さんにもアピールしたかったのです。

 

クライアント(ランサーズの中の人)は悪くありません。おそらく、実績数が多ければ受注につながるということはわかっているものの追加払いで払うと評価がたまらないというところに、なんとなく気がついていないっぽかったのです。そりゃあそうですよね、多忙な中、自分が何気なく選択する行動の“意味づけ”まで理解している人は少ないです。

 

先方は悪くなく、本来は、私が伝えるべきでした。しかし私には心理的抵抗があってできなかったのです。相手から見たら面倒なので、こちらの失注につながったら嫌だし・・・という気持ち。

 

これは何も私だけの話ではなく、「クライアントに言えない。言うべきことであっても」という課題を持つ人は多くいます。そう、フリーランス立場弱すぎ問題は、誰にでも起こりえるのです。

 

フリーランスうっぷんたまってぶちまけ問題

 

先日、フリーランス協会が運営し、内閣官房/公正取引委員会/厚生労働省が解説する、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」という無料オンラインセミナーに参加しました。(のちにYouTubeに動画が上がるそうです)

 

内容は法律の知識の話だったのですが、解説中、多くの方がZoomのチャットに自分のトラブルをぶちまけて質問していました。個人的には、直接いわないでチャットで国にぶちまけるという行為に引いてしまい、その場で言わずあとでいう姿勢に胸が痛くなって退席してしまったのですが、つまり「フリーランスうっぷんたまってぶちまけ問題」はあちこちで起こっています。

 

私もやったこともやられたこともあります。これだとパワーゲームになり、強い方が勝ちます。SNSやnoteなどのプラットフォームにぶちまけて無関係な人を巻き込み、弱者の数で戦うという戦略です。

 

中堅フリーランスのオンライン暴力過剰問題

 

さらに、このやり方はやりすぎることがあります。

やり返す側が拡散力を持っている場合や、実際に起きている力関係の強弱のコントラストが強すぎる場合、言葉のパンチ力が強い場合は、やりすぎになって大げんかに発展するケースも多々みうけられます。

 

つまり、ちょっとだけ経験を積んでくると、自分がされていること、言えないがゆえに巻き起こしていることを理解できてしまうと、怒りとともに言葉でパンチしてしまってやりすぎるのです。

 

これは、言葉の暴力を振るいすぎ問題です。相手が狡猾ならさらにボコボコにやられて終わるなど、傷が深くなるので、なかなか根深い問題です。

 

デザイン思考で解決しよう

 

この不毛な地獄。戦いとオンライン暴力の連鎖。何が断ち切るのでしょうか。ビジポコの編集長河上にこの問題を何気なく伝えてみました。フリーランスの立場が弱いという話、うっぷんをぶちまけてしまう問題、そして中堅になるとやりすぎる問題・・・

 

「ほどよい塩梅で、軽く言えればいいのですがね」、という私に、河上は「相手のメリットを提示しつつ、同じ方向を見るのが大事ですね」と話してくれました。以下、解説します。

 

誰の夢を追いかける?

 

言えないということ。相手に収奪されているのではないかという被害者意識というかなんとなくの感覚は、フリーランスに限らず一人親方などの会社でも起こりえます。

 

たとえば、普通のビジネスの関係では、お客さんが対価を払って、こちらは商売でお返しするわけです。つまり、クライアントの見る夢を一緒においかけ、相手の夢の実現に寄り添って、仕事を実施し、利益を出し、ビジネスでお返ししていくと。まず相手の夢ありきで受託は進みます。

 

そこで、一緒に夢を見るという方に転換していきます。クライアントの夢を実現するのではなく、クライアントの利益につながる自分の夢をみるのです。果てしなく目指す方向を一緒にしていくと、新しい方向が生まれます。お互いじゃない部分に興味を持つと、ウマくいくことが多い、というのです。

 

たとえば、1円ライターの頃に言えなかったフリーランスので例いうならば、「評価数をためたいのですが、ランサーズさん側にとっても、ランサーズで★の数がたくさんあるフリーランスがサイト内に大勢いたら、きっとたくさんの利用者さんがやってきて、利益になると思うんです。ランサーズ内を実績が多い人がたくさんたくさんうろうろしていたら、とても嬉しいですよね」と、同じ方向(ランサーズの発展)を夢見ていく。

 

これなら、「評価をためたいフリーランス」と「面倒(気づいていない)クライアント」の対立構造にならず、同じ方向をみているので、お互いに動きやすいですし、私のメリットが相手の利益につながるのです。

 

クライアントの利益になる自分の夢、とは、そういうことか!とまたゴロゴロゴロゴロと画面越しに転がりそうになりました。

 

果てしなく一緒の方向を見て、自分の夢を見る

 

これはあらゆるパターンに適用できそうです。

 

フリーランス vs クライアントの対立構造では、いつまでももめ事が続きます。弱い立場だから法律で守らないと~というお国の思いやりに依存するのも(法律は大事ですよ!)、法律を盾に相手をぶん殴るのも、言葉のパンチでケンカをするのも、もっとよい方法があることを知る必要があります。

 

なんとデザイン思考は人生の問題、働き方の問題まで解決してくれるとは・・・!

みなさんも、身の回りの問題を、相手の利益になる自分の夢はなんなのか、という観点からみてみてください。デザイン思考は、こんなときにも役立つようです。

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