ビジポコ相談室:Web制作で食べていきたい。強みは歯科衛生士。どうやって歯科医院のホームページ作りを任されたらいい?

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ビジポコ相談室にお便りをいただきました。

デザイン思考を通じて新規事業を生み出す。今回は、歯科医院のWeb制作案件を取りたいという方。さて、デザイン思考で何が生まれるでしょうか・・・?

 

(略)「個人の歯科医院でHP制作~更新」までワンストップで任される位のレベルの人間になれることが最終的な目標です。
概ね4年後くらいにそんな人間になれれば嬉しいです。(4年後に歯科医院へフリーランスとして戻りたいと思っています。)

ここで急に「歯科医院」というワードが出たのは、私自身が歯科衛生士だからです。

正直、歯科衛生士の業務には未来がないな、私にはあまり向いていないと思っていましたが、縁があってWeb系のお仕事に巡り合い、今はWebライター業など簡単ではありますが更新業務をメインにお仕事をやっております。
でも、自分が前に進んでいるのか後ろに進んでいるのか、訳が分からなくなっています。(略)

【伊藤さちさん・大阪府・30代】

 

Web制作(ホームページ作り)で食べていきたいという思いを持たれる方は結構いらっしゃいます。WordPressは少しパソコンに慣れた人なら操作できますし、デザインだって楽しい。ちょっとだけ難しさもあるのでハードルもあります。利益率も高いので、1件30万円~50万円でコンスタントに受注できれば、それだけで食べていけちゃう。

 

海外でも旅をしながらでも在宅でも稼げる最高の仕事として、Web制作はかなり人気のある仕事です。

 

しかし、競争が激しするのと、営業の仕方がわからないのと、営業力に依存したビジネスになるので、激戦でもあります。今回は、歯科衛生士さんの資格を持つ伊藤さちさんからのご相談にビジポコが解決に乗り出しました。

 

【ご相談者】伊藤さち  さん 30代

【お住まい】大阪の超田舎ではないところ

【本業】歯科衛生士

【副業】Webライター

【希望】子供が少し大きくなる4年後を目安に、歯科医院のホームページ制作と更新を本業に、歯科衛生士をサブにして、食べられるぐらいになりたい

【備考】歯科医院のホームページは、必ず存在するがほとんど更新されていないし、されているところも記事は外注っぽい

【今の着想】新規で歯科医院を立ち上げる歯科医に営業をかけたり、更新されてないホームページの運用をできたらなと思う

 

 

そもそも歯科業界にホームページ制作って需要あるの?

 

デザイン思考で考えるなら、世の中に何の価値を与えられるか、から出発することとなります。

 

まず、編集長ヤスによると、気になったのは、「歯科医院のホームページが更新されていないのは、更新する必要性がないからじゃないだろうか?だって、営業時間と休みと住所と電話番号さえわかれば、あとは地域の患者さんがやってくるのだから」とのこと。

 

そう、前提として、Web制作を提案するといっても、そもそもホームページを更新する必要性を、院長が感じていないのではないかということです。つまり、需要がないところをこじあけることになるので、非常にしんどいですし、営業力に依存し、断られまくって傷ついて終わる未来がみえます。

 

だからさちさんは相談にこられたんですよね。

 

歯にまつわる世の中の困りごとは?

 

ところで、「歯医者さんの悪口をいってみて」と伊藤さんのお友達に聞いてみたら、きっとみな山のように文句がでてきて歯医者をボロカスいうはずです。歯医者さんにはいいたいことのある人が多いのでは?

 

歯が痛くて予約を取ったのに、なぜかクリーニングをされ、抜くのは次回以降。「先にクリーニングしましょうね~」といわれ、まず汚れ取りから。そりゃあ歯医者さんだって継続的に通ってもらわないと利益にならないのは理解しますが、延々とひっぱろうとされるのはつらい。何より歯がいてえのだ。

 

一方、歯医者さんや歯科衛生士さんにも言い分はあるわけです。先にクリーニングしないと他の歯までボロボロになってしまうし、歯磨きはとても大切。

 

編集長・河上はいいます。「かみしめる喜びってとても大切」と、お年寄りの方々は同窓会などで話し合っているはず。「ああ、自分の歯で噛めるって、肉をがぶっとたべて肉汁を感じる。それって幸せなことだったんだね」と、後悔とともにお年寄り同士で話し合っているはずなのです。

 

歯にまつわる世の中の困りごとは、実際に歯を失った人が知っていると。

 

Web制作で食べていきたいなら何ができる?

 

条件をまとめるとこうなります。

  • 歯科衛生士である
  • Webライターとして歯にまつわる文章が書ける
  • ホームページもいちおう作れる
  • ホームページ集客の重要性を理解している
  • 新規開院など、ホームページ集客をしたい歯科医師も世の中にはいる
  • 地域の歯科レベルを上げたいという強い思いも持っている

 

上記を総合してデザイン思考で考えると、何ができるか。

 

  • 自分で、読まれるオウンドメディア『かみしめドットコム(仮題)』を立ち上げる
  • ドットコムの前に、Yahoo!知恵袋で徹底的に歯科の悩みに答える
  • 答えたコンテンツで書き切れない部分をドットコムに書いて来てもらう
  • そうしてドットコムで歯について悩んでいる人を集め、歯科衛生士目線で徹底的にお悩みを解決する
  • ドットコムには、歯科医院の広告を貼ってあげる(無料で貼ってあげる代わりに、制作の依頼を受ける)
  • 歯科医院の紹介は、地元の信用金庫に電話をかけて、3分もらい、上記のモデルで医院を集客したいが、医院や不動産屋さんをご紹介願えないか聞いてみる

 

ここで、伊藤さちさんのビジョンが明確になりました。

 

【ビジョン】地域の歯科レベルを上げたい

 

というもの。その思いを実現できるモデルではないでしょうか。

 

オウンドメディアへの集客はY!知恵袋で。医院の集客は数字で語る

 

歯磨きについてのオウンドメディアを立ち上げ、そこに歯科医院の広告を無料で貼ってあげて、Web制作の仕事を取るーー

 

オウンドメディアへの集客は、SEOやTwitterよりも、そもそも歯について困っている人が集まっている集団・Y!知恵袋でお悩みにのります。さちさんはWebライターの仕事もしており、わかりやすく説明できるはず。

 

「知恵袋のシステム上1,000文字しか書けないので、続きは申し訳ないけどサイトに来てください。」と末尾に書けば、きっときてくれます。いきなりリンクを張るとみんな逃げていきますが、徹底的に役立ちたいんだという姿勢なら、クリックしてくれます。

 

そして、オウンドメディアでページビューを出せるようになれば、今度は歯科医院に対して数字で語れるようになります。「この地域には歯について悩んでいる方が約●名おられて、ここでホームページを作って私のオウンドメディアに広告を出すと、▲名の集客が見こめますよ」と、数字で語れるようになれば、説得力(営業力)も増します。

 

歯科衛生士にまつわる法律問題

 

ただ、ここでさちさんから「歯科衛生士は、診断や虫歯についてのことは法律上、書けないかもしれません」とのこと。法律の問題をクリアするなら、以下が有効です。

 

  • 厚生労働省に電話をかけて聞いてみる
  • それでも無理なら、判例をベースに学生が答えている法科大学院に問い合わせる

 

これならば、電話代だけで法律の問題がクリアできます。

それに、一般論として歯についてのアドバイスや歯磨きについて書くなら、歯科衛生士さんが一番頼れますよね。

 

「わたしにできるだろうか」という不安

 

伊藤さちさんから、「私にできるかな」という少しの不安を感じ取りました。「自分は単なる歯科衛生士で、単なるママでしかない。とりたてて才能がない証拠に、Twitterのフォロワー数も少ないし・・・。」という不安。

 

そこはたぶん成果物(アウトプット)の具体性がみえてないので、「やれる」という自信がわいてきていないのではないかと思うのです。

 

Web制作のトラブルがあれば、MENTAでメンターをつければいいし、そもそも歯科衛生士であり、歯科にまつわる課題点が見えているさちさんご自身が手を動かしてホームページを作る必要性もそれほどないのでは、と思われます。ディレクターになって自分は顧客目線の価値だしに集中すればいいのです。

 

ビジポコの学び

 

「歯科医院のホームページはほとんど更新されてないから、リニューアル提案して、運用費もいただければ、自分も食っていける」という話から始まった今回のビジポコ相談室。

 

ただ、繰り返しになりますが、需要のないところをこじあけようとしても、しんどいし慣れない営業で傷ついて終わり、嫌になっちゃいます。

 

でも、役立つって何か、何の悩みが世の中にあって、何の価値を自分は出せて・・・とデザイン思考で考えれば、こんな新規事業のアイデアが浮かぶのです。

 

そして、歯磨きの大切さというか、かみしめる喜びを教えてくれて、フロスの使い方や、自分の口内環境に最適な歯磨き粉の提案や、老人になって歯がなくなてからの後悔、その後悔を防ぐために今から家庭でできること、おすすめのフロスとコスパ計算などが盛りだくさんのオウンドメディア『かみしめドットコム(仮題)』があったら、読みたいと思いません? ぜひ読んでみたいです。

 

伊藤さちさん、ご相談ありがとうございました!この記事を参照しながらちょっとずつご自身の計画を進めていって、またキリの良いところでZoom会議しましょう!

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ライター藤田は、ウニ屋の娘です。創業者である母親が国の専業主婦1円起業枠でゼロから立ち上げた北海道根室市のウニ屋の娘で、ディスカッションを楽しく学びある記事に仕上げます。

 

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