儲かった日も、儲かってない日も、「儲からんわ」と言っておこう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ビジポコ藤田です。

 

「ビジネスをポコポコ生み出せる会社になりたい」という、編集長ヤスのお客様のつぶやきをヒントに、藤田の夫が命名してくれ、想いの詰まったこのビジポコ。

 

今回は、新規事業(ビジネスをぽこっと)を生み出すべく、北海道根室市のウニ屋の娘・幸子が、ネットショップ作成に乗り出す話です。編集長ヤスはどのようなアドバイスをし、カーチャン社長はなんと答えるのか。

 

あくまで主役は読んでくださっているあなたです。ウニは決して私が成功するための道具ではありません。それを心しながら、ネットショップ作りに乗り出したのでした・・・。

 

藤田と幸子は中身こそ同じですが、ライターとウニ屋の娘では、違う顔を見せるのです。ディズニーランドには沢山のキャラがいますが、ミッキー&ミニーが好きな人や、ドナルドが好きな人、アリエルが好きな人もいます。全員に刺さるキャラはいません。

 

ちなみに私はプリンセスよりもミッキー&ミニーやチップ&デールといったバディ感があるキャラが好きで、ディズニーシーのタートルトークで「ミッキーは何人いますか?」と聞いて亀に「ひとりだよ!」と怒られるぐらい空気が読めず・・・とそんな話はさておき、今回はネットショップを作る前に汗をかいたテーマでお届けします。

 

では、スタートです。

 

ウニ屋は最高の商売

 

ウニ屋は宝物を扱う商売です。ウニを好きな人は大好きで、ラッコも食べたがる宝物。そして、北に行けば行くほど高級食材として扱われます。「そうとう儲かってるんでしょ?」とみんな聞いてくるぐらい、高いイメージがあります。

 

しかし考えてみてください。一次産業ってそもそもそんなに儲かりません。それにカーチャンは、儲かってない日は「儲かってないわ」といいますし、儲かってる日も「儲かってないわ」といいますのでよくわかりません。とにかく儲かってないのです。

 

ただ、世間がウニ屋という商売を魅力的に思う気持ちもわかります。ロシアの漁師さんがウニをとり、ウニ屋が港で買い付け、割ってミョウバンにつけて木箱に詰めてもらって、全国の公設市場とふるさと納税に卸して終わりです。あとは支払うものを支払って、金数えて寝るだけ。

 

ごちゃごちゃ考えて夜更かしし、朝起きられなくなったら仕事が回りませんので、政治や社会問題とも距離を置くスタンスでやっています。女工さんにとことん綺麗に詰めてもらえばもらうほど、高値になるのが面白いですね。「花」と呼ばれる最高級品は、詰め子さんの真骨頂。

 

 

“市場“を相手にする仕事のデメリット

 

ただ、とにかく値段が揺れ動くので情緒が不安定になりがちです。豊洲市場を中心とした公設市場の値段が高いときは、両親も我が世の春とばかりにイキリはじめますが、値段が下がると「もう誰もウニなんか食べへんのや」とショボーンとなります。

 

大自然の恵みを、公設市場というマーケットに卸すというのはそういうことです。春のお花見、ゴールデンウィーク、秋のお月見シーズン、クリスマスや年末年始といったイベントで高い値段がつくときに、普段の赤字を回収します。そして一年通してなんとか生活をさせてもらうというビジネスモデルです。

 

この不安定さは、私も受託のフリーライター業なのでよくわかります。未来のことなど誰にもわからないという覚悟が必要であり、同時に値段の上下、売上の上下に感情をひっぱられない、アイデンティティをぶらさない訓練が必要です。マーケットという存在は、本当に自分を鍛えてくれます。

 

そして、事業者側の勝手な都合を許していただければ、だからこそネットショップを・・・という側面もあるのです。

 

めっちゃ金を持ってる極東ロシアの方々

 

北海道(ロシア産)のウニは都心の超高級鮨店などに卸され、みなさんの会食を彩ります。クリスマスや年末年始には恐ろしく値段が跳ね上がりますから、「相当儲けてるんじゃ?」と聞かれるのは仕方ないかなと。

 

実際に儲けているのはロシアの方々です。公設市場で値段が高いシーズンは仕入れがめちゃくちゃ高く、値段が安いシーズンもそれなりに高く。どこで日本の公設市場の値動き情報をつかむのかはわかりませんが、とにかく仕入れ先がもっていくので、ウニ屋は儲かりません。とても苦しいのです。

 

取引先のロシアの方は、日本円の現金を数えるマシーンを個人的に所有しているそう。あの、銀行で使われている「ドドドドドドドド」と現金を数える紙幣カウンターです。どれだけ彼らが利益を持って行くかがわかるエピソードですね。はあ~。

 

さあ、ネットショップを作ろう

 

話は国内に戻ります。公設市場とふるさと納税。その2社が、勝手にお客さんを連れてきてくれるんですね。なのでウニ屋はとっても頭が高くなっちゃいます。ふるさと納税がはじまるまで、根室のみんなは、景気が落ち込んでしょんぼりしていたと聞きます。でも、ふるさと納税を通じて、日本中が、根室の水産を待ち望んでくれるようになりました。

 

ふるさと納税は、良い仕組みです。

でも、直販してもっともっと広く、最高のウニを届けたいなという想いがあります。

 

とりあえず、ネットショップを無料で作れるBASEを使って、ショップを作ってみました。作るだけならすぐできる時代。でも、「どうやって売るん?」という感じです。いくらに設定すべきかもわからないし、がらんとしたネットのお店を前にして、私は途方に暮れました。

 

今、こういうお店は多いのではないでしょうか。とりあえずネットショップ作ってみて、お客さんこないし、自分で適当に広告打ってみて、ダメだからSNS動かしてみて、莫大なお金が溶けていって、ああ、売れへんと、どんどん時間が過ぎていく・・・。私もその罠にはまりかけました。

 

ビジポコの学び

 

編集長ヤス。は、ものごとの価値を探す専門家。キラキラの宝物を見つける天才です。

デザイン思考やDXや新規事業のプロという前に、価値を探して、さらにその価値をわかりやすく伝えられるという才能を持ちます。

 

私はヤスから習いました。デザイン思考ではこう考えると。

 

  • 「おいしい」を売らない。「役に立つ」を売る
  • 私たちはときどき、猛烈に和定食が食べたくなる
  • ウニがぽつんとひとりぼっちでいても、和定食は完成しない。仲間が必要。
  • ウニが4万円なら4万円で、普段みんなが何に4万円使っているか見渡してみる
  • 人生を変えた4万円の体験って何?そこから “人生を変える一口“ が生まれるかも

 

うまくデザイン思考で考えられないので、とにかく編集長ヤス。のいうことをメモして、何度も読み返し、口に出して復唱しています。普段は豊洲市場などを中心に、一等地の高級店に流れていく我が社のエゾバフンウニですが、大人4人でたっぷりウニ丼が食べられるセットで4万円は、高いでしょうか。。。

 

そこで、「人生を変えた体験」について編集長ヤス。と話しました。イルカとのふれあい。バンジージャンプ。19才で初めてみた東京のこと。。。

 

4万円。キラッキラに輝く、人生を変える特別な一口・・・。

 

その正体を探ろうとして、編集会議の復習に疲れて寝てしまいました。すると夕方、カーチャンから電話がかかってきました。「どうや~」と。ネットショップの4万円計画を話すと、

 

「欲かいたらあかんで~^^」

 

といいます。つまり、「製造から見たら、末端価格4万円なんて高すぎやわ」といっているのです。さて、どうなるネットショップ!

 

ウニ屋のように、編集長ヤスに相談することもできますよ。一回3000円でディスカッションし、なんとヤスはその場でアイデアを仕組みにまで落とせてしまえます。感動的なまでにお役立ち。編集部とディスカッションして楽しくビジネスをポコっとしませんか。詳しくは下記までどうぞ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ビジポコ編集部とWeb会議しませんか?

ビジポコ編集部と、新規事業やビジネスアイデアについて楽しく話してみませんか。

あなたの人生観・ご自身のこと・考えたビジネスが、ディスカッションを通じて新規事業のアイデアに生まれ変わります。

新規事業とは、たとえばトヨタ自動車はWovenCityなどの新規事業に果敢に取り組んでいます。編集長・ヤスはトヨタの新規事業を現役でサポート中。ヤスはIBMやデロイトトーマツでコンサルタントを指導する立場を経て独立した現役の新規事業・DXコンサルタント。

ライター藤田は、ウニ屋の娘です。創業者である母親が国の専業主婦1円起業枠でゼロから立ち上げた北海道根室市のウニ屋の娘で、ディスカッションを楽しく学びある記事に仕上げます。

 

Zoomでふたりと話してみませんか。

最初にあなたのご商売や着想についておうかがいし、その後、ビジネスをぽこっと(ビジポコ)生み出します。

1時間程度にはなりますが、メッセージいただけたらご対応します。

お話しできるのを楽しみにしています!


相談する

SNSでもご購読できます。