SDGsの本領発揮:障害者雇用の闇を祓ったら、数兆円の新規事業が見えた

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障害者雇用について何を思いますか?

そもそも何か思いを持っていることはありますか?

 

障害を持っている方自身・・・働きたい

国や行政・・・雇用を促進したい

企業側・・・活躍してくれるなら、地元で愛されるために雇い入れるのはまんざらでもない

 

という思いがあるはずです。

 

三者三様に思いがあるのに、実際は全体の2.3%しか障害者雇用が実現しておらず、大企業のうち50%以下しか達成していない現実。

そして、未達成分は、ひとり5万円の罰金を支払えば、それ以上のお咎めはなし。1名雇い支払う給料と比べれば、遥かに安い罰金。利益を出すことを目的とする法人は、障害者雇用をしないのです。

 

ご相談者五十嵐さんは、ご自身もADHDの当事者として企業の人事で働きながら、この現実をなんとかしたいとビジポコ相談室にお越しになりました。編集長ヤスは、デザイン思考でどう答えて、どう「役立つ」「儲かる」「できる」そして「やりたい」の四角形を描いていくのでしょうか。

 

今回のビジポコ相談室は、「障害者雇用をビジネスで解決したい」です!

 

障害者雇用の課題感

 

五十嵐さんは、ADHD当事者であり、企業人事の仕事をしながら企業側にある「どう雇用していいかわからない、障害者の能力がわからない」という課題点を指摘しました。採用してもすぐにやめる、採用するためにわざわざ仕事を作らなければならない。企業側は、面倒だから罰金を払って雇わない選択をするというものです。インセンティブが働きづらいと。

 

さらに「給料だけ払ってリモートワークをしてもらい、家で座っていてください」という高度ないじめの存在も、ビジポコ編集長ヤスは指摘しました。

家で座ってマンガを読んでいるだけでもいいのなら、それでも良いっちゃいいのですが、自信がつきづらいと。「認めてもらってないという社会への劣等感」があると五十嵐さん。

 

障害者の側も、失敗を積み重ねすぎて、自信を喪失しているーーー

 

という課題感があります。うーむ。障害者雇用は課題だらけですね。

 

「簡単にいえば、認めてもらいたいけれど、挫折を重ねすぎて劣等感が強すぎるんです。でも、障害者の中にも能力は高い人もいるのに、能力を生かし切れないというただそれだけで、生きづらさを感じているなら、どうなんだろう?って私は思います」と五十嵐さん。

 

給料の金額が定量評価の代わりになり、役に立てたと自分で実感でき、だからこそ得られる実感や自尊心が大切になってくるのではないか、というわけです。

 

同時に、障害者雇用は給料が低いという問題もあります。平均賃金が14.5万円なので、お金がないので自立心が芽生えづらく、一人暮らしも結婚も、給料が少なくてできないと。そういう部分からも、ただお金だけもらってマンガ読んでいるわけにいかないのも事実です。

 

“障害者は可哀想“!?

 

ところで、障害者雇用をなんとかしたいと聞くと「可哀想なのでなんとかしてあげたい」のかなとも誤解されます。それも少し違うかなと思います。

かつては、“普通の人“が多くて、その結果”普通じゃない人“ができ、「可哀想」という価値観はありました。ただ、今や、”疎外感を胸に抱きながら生きてきた人”も大勢います。

 

多くの人がマイノリティに共感できる社会になりつつあっても、いまだ経済的自立の道が遠いのが、障害者雇用の現実です。

 

障害者雇用の感動ポルノとは?

 

一方、障害者雇用は感動ポルノの側面を持つという嫌な現実もあるのです。

編集長ヤスはいいます。「社長交流会にいる社長さんが、視覚障害の学校と提携し、生徒さんをハワイにつれていくと。ハワイには日系アメリカ人で視覚障害を持ちながら、会社を興して成功している人の講演を聞かせ、交流を通じて夢を持ってもらっているんです」

 

一見するといい話。

 

「すごくいいことをしているように聞こえます。視覚障害の方々は『自分たちは按摩師になる未来しか見えなかった』といって涙を流しながら帰って行く。それをみて、社長さん達も感動して泣く。それを美談というかたちで自慢しながら話す。」

 

編集長ヤス。は続けます。

「僕は意地悪なので、質問をするんです。旅行から帰ってきた後、挑戦することへの支援はしているのか?と。返ってきた返事は、修学旅行に連れて行くだけで、それ以降は何もしない。本当に旅行につれていくだけで、終わっているんです。

 

夢が広がったので何かやりたいとは思う。しかし、旅行に参加した学生さんが日常に戻ると、その周りにいる大人は、相変わらず『君は按摩師にしかなれないよ』と思っている。その環境でどうやって頑張れというのか。夢を持てたのに、夢を支援してくれる人がいないギャップ。地獄そのもの。学生さんが成功することに、何も役に立っていない。僕は、そういう役に立たないことは許せないんです。テレビ局がやる感動ポルノを、趣味で自分たちで再現して喜んでいるのですから。」

 

旅行の手配だけして、可能性だけプレゼンして、あとは残酷な現実に置き去り。そっちのほうがよっぽどひどい。でも、考えてみたら、そういう偽善といいますか、もはや悪と見分けがつかない善行に対して、お金を払う人はいるということです。

 

そして、そうした善行(っぽいもの)に価値を感じ、さらにはそれが巡り巡って社長さん本人の評判を良くしてくれるなら・・・。行動としては、障害者雇用の促進であっても、その支援の結果、社長さんたちが感じる利益やベネフィットを、全然違うところに作ることができたら・・・?

 

個々人の生々しい欲求を満たしたいだけの感動ポルノであっても、それらをつなげる仕組みがあれば、最後は障害者の方々の役に立つのです。

例えば、修学旅行から帰ってきた学生が、挑戦しようとした時に頼れる大人へ繋げてあげるだけでも、夢の実現に役に立つ仕組みへと変わっていきます。

 

感動ポルノを”役立つ”につなげる

 

ヤスは続けます。「障害者を雇う理由。その理由を法律に求めず、個人の利益につなげていく。極端な話、キャバクラで自慢できるとか、儲けすぎて地域で悪口いわれているのをなんとかするとか。腹黒い仕掛けです。そして立て付け(建前)は単純な能力マッチングなんですけど、仕組み全体から得られる利益は、全然違うものとして育てていく」と。

 

社会貢献として、CSRとして、綺麗な絵空事を描くと、雇う社長さん側は「うちのプロダクトそのものがもう社会貢献だ。それ以外になんでお金を払うの?」となります。いま以上にお金を払う部分に、追加の価値が必要になります。

例えば、成功者は何かしら地域で必ず妬まれ、悪口を言われます。「地域のレストランで食事して残したとき、仕入れ先の農家さんにまで、『あの人食べなかった』と伝わっている。そして、地域の”お節介な人”が、社長に、XXさん、悪口言ってましたよ?大丈夫ですか?と話してくることありますよね。あれ最悪ですよね。」こういう生々しい話でいくと。

 

「社長さんが儲けるだけでなく、この会社の雇用に、今まで誰も雇わなかった障害者 が含まれているとなると、今度はその仕事に対して陰口を言う方が、明確な”悪”になるので悪口を言いにくくなる。」それぐらい、ドロドロした生々しい話でないと、うまく回っていかないとヤスはいうのです。

 

そういう個人の生々しい感情と向き合いながら、その個々の生々しい欲求を、いかに繋げて障害者の方々の役に立つ仕組みを作れるか。そこが大切なのです。

 

アメリカのハンバーガーゲームアプリ

 

ここで、五十嵐さんからひとつのアイデアが。アメリカにハンバーガー屋さんでただハンバーガーを作るアプリがあるそうです。「ハンバーガーとコーラをくださいという指示に対して、優先順位を立てて商品を提供することが苦手。つまり、ハンバーガー作りのアプリが能力の指標になるのではないか」というのです。

 

ゲームで能力を可視化して、ADHDや発達障害の方の能力を測って、採用側がそれを把握できれば、企業側も「この人とコンタクトが取りたい」となって特別クエストを適性テストとして提供し、アプリゲームから企業とつなげられたらなと。

 

同じ発達障害でも、「自分は上位だ!」「こんなに企業からお声がけがあった」となれば、楽しんで企業とつながっていくのかなと。

 

企業側も、能力の可視化ができるので、「どう雇用していいかわからない、障害者の能力がわからない」という課題を解決できるかなと。

 

アプリを作ってどう広げる? ポリコレ的な広げ方

 

ここで、Facebookやリンクトインの話になりました。「アプリとしてSNSと連携しつつ、誰がどのように優れているかの能力をアプリで判定。企業に提供して採用のリファラルとしつつ、全社的に計ってみませんか?」と提案していきます。

 

すると、マネジメントしづらいなとか、冷たく当たってしまい下手したらパワハラだと訴えられかねない相手の「正体」がわかります。すっきりと謎解き感覚で、別の合理的判断が可能になります。

 

すると、合理的判断の結果、採用コストも下がっていくのです。最初0円で、新しく採用する相手がヤバい人じゃないってところだけアプリでチェックするところから、提案していくと。そうすれば、企業側から見たらありがたいことです。

 

そして、アプリを障害者だけで作りました!となると、マスコミも取り上げてくれます。フォーブスとか欧米系のメディアはポリティカル・コレクトネスを重んじるので、喜んで取り上げてくれる状況が見えてきます

 

権威を巻き込め!どう協力を取り付けるか

 

そして、アプリが採用プラットフォームに育っていく。データビジネスが流行ですが、利用者は0円、企業も0円でできて、ミスの発生率がこの人は68%で~といった情報を持っておく。

 

企業側は、一人雇うと生涯賃金が1.5億~2億円かかるので、その投資判断に関する情報を0円で買えます。

 

さらに、「アプリ作成の協力者として、大学(特に東大)の先生に論文を書いてもらってください」とヤスは言い出しました。人の能力をどこで判断するか。学術的に押さえつつ、権利として守っていく。

 

学術研究が整い、UIが見えた時点で「任天堂にも行ってください」とヤスは言い出しました。ゲームの力で人の能力をはかれるなら、先方のtoB部門として立ち上げるプランを持って行くと。こちらは、世界最強の任天堂法務部門の庇護下に入ると。

 

お互いの業務デザインを個別最適化する

 

ハワイツアーの方の例で行くと、感動ポルノをしたい人はしたい人でよく、障害者の側も

 

「夢を持てたのは〇〇さんのおかげです。

夢を持てた結果、叶えようとしたとき別の人が助けてくれた。

そして生活ができ、結婚できて、子供がいます」

 

というストーリーが組めるような設計をすれば、障害者側も、雇い入れる社長さん側も、お互いに最適化しつつ、うまく回っていくのではないか。とヤスはいうのです。

 

学歴でしかはかれなかった能力が・・・

 

これまで、採用に当たっては学歴でしかみんなはかれていないところに、別の尺度が持ち込まれる。ゲームチェンジャーになりますよね。

 

アプリ・・・UIを設計できたら、中身は海外への外注で作れる

大学の先生との研究・・・週に1度被験者として関わる

宣伝・・・障害者だけで作って、メディアに取り上げてもらう

営業・・・大学経由で企業を紹介してもらう

権利保護・・・最強の企業と手を組み、力を借りる

 

「この巨大なビジネスを成功させるためには、五十嵐さん自身がいかにがんばらないかが大事です」とヤスはいいます。夢を描いて、巻き込んでいく力の方が大切で、まずは、東大に電話をかけるところからスタートです。

 

アプリロンチ後の新しい合理性

 

無料のハンバーガーゲームで、自分の仕事適性がわかるなら、楽しんでプレイしてしまいそうですよね。企業側からしたら、事前にヤバい人が見分けられて採用の参考になりますし、今いる社員のうち、「どうにもマネジメントしづらいな」という方の理由もわかってすっきりします。

 

さらにいうなら、そのすっきり感が「マネジメントしづらい人を雇うより、能力がうちとマッチしている障害者雇用の方が、安くていいじゃないか」という考えに発展していくのは自然なことです。

 

障害者雇用は増え、企業はよりマネジメント能力が上がり収益を得て、個々人は適材適所で働ける未来が見えます。

このビジネスを支えるのは、五十嵐さんのチームが開発した、歴史的なアプリケーションであり、そこで得られたデータは、雇用関係の最適化に使われるのでした。日本国内だけで給与は合計221兆円が支払われています。

その裏側に入り込むことができたら?

日本のみならず、欧州、米国、アジア各国にも参入できたら?

そこには、無限の可能性が広がります。

 

薔薇色の恐ろしい未来

 

科学的根拠を持ちながらも、楽しく遊べるゲームを通じて、能力を測定していくアプリ。

広まれば広まるほど、社会の幸せも増える気がします。だって、幸せはみんながそれぞれ個性を持ち寄って成り立つ世界だからです。

 

その世界で元気に働くなかで、ある日、会社を半分クビになったような形で辞めた人がいるとします。

彼は、実は能力的に健常者でも障害者でもないグレーな存在でした。

でも、だからこそ、会社から見たらマネジメントしづらく、本人としては居場所ができず、いたたまれなくなって退職したのです。

 

会社は、彼に辞めるように圧をかけました。

辞めさせてどうするかというと、もっとコスパのいい障害者雇用に

置き換えたのです。

少し前までは障害者雇用は、会社もどうしたらいいかわからず

障害者の社員の人達も、ほぼ座っているだけだったのに・・・

 

最近は健常者と遜色ない働きをする障害者雇用の人が増えたばかりか

能力的に合わない人とどんどんすげ替えられている気が彼にはしていました。

その能力をどこで判断しているのか。

 

それは、かつてSNSで見かけた無料のアプリだったのです。

 

こんなディストピア、絶望的な未来を作り出さないためにも、データビジネスは人々の役に立つように組み立てなければなりません。

Bizpokoは明るい未来を、応援します。

 

さいごに

 

デザイン思考で、「役立つ」「儲かる」「できる」から考える。そこに「やりたい」も加えて、四角形の中心として、こんな話になりました。

 

小さく夢を描いて、周りの人達の協力を取り付けながら、ちょっとずつ前に進んでいく。五十嵐さんの持っていた課題感やアイデアそして、「周りの人達の役に立ちたい、能力を活かして自信を持ち、自分の足で立って欲しい」というような願いが見えてきました。

 

今持っている課題感・アイデア・お人柄から、夢を捕まえて実現可能なデザインに落とし込んでいく編集長ヤスの手腕。今日もデザイン思考でビジネスがポコッと生まれたのでした!五十嵐さん、応援しています!

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ライター藤田は、ウニ屋の娘です。創業者である母親が国の専業主婦1円起業枠でゼロから立ち上げた北海道根室市のウニ屋の娘で、ディスカッションを楽しく学びある記事に仕上げます。

 

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