ロシアに拿捕された漁船を取り返しにいった父親の話

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ビジポコ藤田です。

 

当サイトでお伝えしている「デザイン思考」は、イノベーションの問題解決のためのテクニックです。一番よく使われる範囲が新規事業の検討なのですが、こと新規事業の場合、アイディアを人に伝える必要があります。そういう時、わかりやすい物語でないと伝わらないので、物語を作る技術、語る技術を学んでいくのが良いと思っています。

 

何度かくり返してお伝えしているように、「1分ストーリー」を通じて、興味深く・伝えたくなる話を作りながら、事業を伝えていきます。今回は、その1分ストーリーの話です。

 

私が今から、タイトルにつけた「ロシアに拿捕された漁船を取り返しに行った父の話」(実話)をします。ただ、面白い話かもしれませんが、“くさい話“でもあるので、もし「面白い」あるいは「くさい」と思われたなら、なぜそう思うか分析し、ただ単に「変わった話を聞いた」で終わらせず、自分ならどうしたらもっと伝えたくなるか、考えるヒントにしてみてもらえたら嬉しいです。

 

では、今回のビジポコもどうかよろしくお願いします!

ロシアに拿捕された漁船は1億円?!

 

ロシアが、北の海で漁をしている日本の漁船を拿捕することはたまにあります。領海侵犯があったり、またなかったりするとは思うのですが。何年か前にニュースにもなりましたし、実際に起こっていることです。つい今月、2021年6月にも、排他的経済水域を巡って、日本の外務省とロシアがもめていることが報道されています。

 

そもそもロシアはなぜ漁船を拿捕するのでしょうか。人に危害を加えるとか、そういうつもりはないと思われます。何かよからぬことをたくらみ、世界転覆を狙っている・・・?そう思うなら、それはハリウッド映画の見過ぎです。目的はお金というより漁船ですね。

 

人は帰ってきます。ただ、拿捕された漁船は返ってこないケースが多いのです。過酷な北の海で漁をするための漁船は、意外と高くて、1億円ぐらいします。外務省も、人を取り返すためには奮闘してくれますが、漁船を取り返すために何かをしてくれることはないようです。

 

ネゴシエーター登場!

 

私の父親は、ロシア語が話せるプロの通訳です。今から15年ほど前の話ですが、拿捕された事件がありました。そこで、父親が頼まれたそうなんですね。漁船を取り戻す交渉をしてほしいと。もう何重にも訳のわからない話だと思います。まず通訳ってのも驚きだし、漁船を取り戻す交渉ってのも見当がつかないし、ロシアってなんか怖い国のようなイメージもあるし、そこに交渉人(ネゴシエーター)として出て行くなんて・・・。殺されちゃったりしないの?って思いませんか。

 

まるで映画『ミッションインポッシブル』の世界です。

父は、交渉に行ったそうです。そして無事に1億円の船を取り返してきました

 

何をしたら漁船が返ってきたのか!?

 

父はただこう交渉したそうです。

 

「この人達(漁師さん)にも、日本で待つ家族がいる。

ご飯を作って待っている家族がいる

あなたたちと何も変わらない」

 

と。ロシア語でロシアの役人にそれを伝えたら、タダで漁船を返してくれたそうなのです。

この漁船の話を私は母から聞きました。(父は何もいいませんので)ずいぶんと大きな武勇伝ですし、なんかすごいなと思います。実際、父はちょっとした英雄になりました。

 

ちなみに、取り返してきたからどうということはなく、無償でやってあげたそうです。

ボランティアで・・・、なんかもうすごすぎて絶句ですね。

 

この話ってどうよ

 

15年前、私は会社員だったのですが、職場の人にこの話をしてみたところ、あまり良い反応ではありませんでした。私が嫌われていたのかもしれませんが、「話がくさい」「ロシアと関わっているなんてうさんくさい」と散々でした。

 

色々驚きます。ちょっとした英雄になった父と、父を自慢に思う娘。そしてそれをくさいだのなんだのいう同僚の方々。それを言った同僚の方々を嫌いになったというか、たいそう傷ついたのですが、時間が経って傷が癒えてきたので15年ぶりにこの話をいつものように編集長ヤスにしてみました。

 

ヤスはいいます。

 

『都会のホワイトカラー職の方々にとっては、北の海の生々しい交渉をイメージできず、「相手がロシアなんだから、トカレフ打ってバキュンバキューンとか、すごい交渉をしたのでは?」みたいな映画のイメージを持っていたのではないでしょうか。

 

ネゴシエーション、しかもロシアとの。と聞くと、もっともっとハードなイメージがあったのかもしれません。そこが、お決まりの家族愛とか、ベッタベタな展開で解決したのが、違和感だったのかも。』

 

とのこと。またしてもビジポコを通じて数年来の謎が解けました・・・。

 

漁船拿捕のアナザーストーリー

 

国境というか、排他的経済水域の話であり、海外が絡み、人命が絡み、そして船が絡む話です。さらには家族も絆もかかっています。ここには書けない話も山のようにあるようですが、それはまたアナザーストーリーなので。

 

北に限らず漁は大変だと聞きます。みなさんも「ベーリング海のカニ漁」が稼げるとか、そういう話を聞いたことがあるのではないでしょうか。漁師町では、インテリである私の父親は、どちらかというと威厳がありませんが、ロシアと交渉して漁船を取り返してきたりするので、何かいじめられたりとかそういうことは起きないようです。

 

ビジポコの学び

お客様の笑顔に直結する「価値」を創り出すためにデザイン思考が存在します。

ただし。

価値を創り出せても、それを伝えられなければ、そのアイディアは「独り言」で終わってしまいます。

 

語れるストーリー。

1分の物語を通せば「お客様が喜んで買ってくれる」状態が生まれます。物語の力でお客様を引き込んでいくのです。

引き込むのはお客様だけではありません。

新規事業検討の初期段階では、チームメンバーを、上司を、役員を、社長を引き込み、巻き込んでいく必要があります。だからこそ、物語を作る技術、語る技術さえも新規事業には必要となるのです。

 

もしも、「ロシアが漁船を返してくれたきっかけが、家族の話だったなんてベタな展開だな」と思うのであれば、どうすればベタじゃなくなるのか。ありがちな話じゃなくするためには、どんな切り口から伝えたら興味を惹けるようになるのか、何が必要だったのか、逆に何を引き算したら良くなるのか。そういうことを考えてみていただけたら嬉しいです。

 

また、みなさんも自分の売りたいプロダクトがあると思いますので、ストーリーを練る際にそれが「くさい」話になっていないか、つまり、定番の落とし所になっていないか、確認してみると良いのではないでしょうか。

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ライター藤田は、ウニ屋の娘です。創業者である母親が国の専業主婦1円起業枠でゼロから立ち上げた北海道根室市のウニ屋の娘で、ディスカッションを楽しく学びある記事に仕上げます。

 

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