
ビジポコ藤田です。
ネットショップの売上に悩む方、おられると思います。今や何もかもオンラインの世の中ですし、実店舗の運営にはリスクがあるので、今後は考えたいところです。もちろんネットショップにもリスクはあるのですが、家賃等がかからないので比較的低リスクで始められるのが魅力。
ただ、お店を開いて「いらっしゃい、いらっしゃい」とやっても、なかなか人は来てくれません。来てくれても買ってはくれないのです。では、いかにして売っていくか。今回は編集長河上が得意とするデザイン思考でライター藤田の実家が営む北海道のウニ屋さんのネットショップを例にお届けします。
【デザイン思考によるウニのネットショップ・ダイジェスト】
- ふるさと納税の出荷時にネットショップのQRコードを張った名刺をいれる
- ハッシュタグ「#ウニ祭り」で投稿してもらうが、その理由が・・・
- お急ぎ便だけネットショップで、のんびり着ならふるさと納税で
さて、どうなるでしょうか?
もくじ
そもそもなぜウニ屋なのか?
我が家は関西の人間なのですが、神戸にいた頃は、父親がロシア語の通訳だったためロシアに中古車を輸出する商売をしていたんですね。ですが阪神淡路大震災が来て、神戸の港がぺちゃんこになってしまって、その商売ができなくなってしまいました。
で、両親はロシア関連の仕事が多い北海道に移住したのです。「どんな気持ちで移住したんだろう?」とある方に聞かれたことがあるのですが、つらかったようです。震災が引き金とはいえ食い詰めた結果、ご縁のなかった土地に移住したわけですから。母親は根室に降り立ったとき、「もうこれ以上、行く先はない。この先は冷たい根室の海に飛び込まないとアカン」と思ったそうです。だから「必死で働いた」と言っていました。そして、「本州の今つらい人達に、北海道のウニを食べて『生きていて良かった』と思ってもらいたい」と。
そんな思いで移住し、そんな思いでやっているようです。
ふるさと納税から流れてくるお客様
必死で働いたその結果、根室市のふるさと納税を担当するようになった両親のウニ屋さんですが、私が開いたネットショップにも、お客様がやってきました。ウニが売れたのです。どこからやってきたお客様なのか疑問だったので、デザイン思考の最初で編集長河上に習った通り、“聞いてみる“から始めました。するとお客様は
「ふるさと納税で注文させてもらい家族で楽しみました。今度は友人達と一緒にウニを楽しもうと思い、検索してショップを探したのです」
と教えてくれました。
つまり、以前に編集長河上が教えてくれた「ふるさと納税の“おかわり”注文が来るのでは?」という仮説は当たっていたのです。すごい!デザイン思考では、仮説を立てて検証することが大事だと河上はいいます。仮説は仮の説ですからもちろん外れることもありますし、外れても仮なので問題ありません。今回はたまたま当たっていたので、ふるさと納税→ネットショップの方向に頑張ることが、正しい可能性が出てきました。
ただし、後述しますが、それを社長が実行するとは限りません。それは別にしても、仮説はひとつ当たっていたのです。こうして仮説を積み重ねていくことが大切だと考えられます。
ネットショップとウニ屋さんの差別化
ネットショップにももっとお客さんが来て欲しいところです。ふるさと納税の方は自己負担2,000円なのでお得すぎるためウニ屋に注文が殺到するのはなんとなくわかります。「実家は北海道のウニ屋さん。」といったとき多くの人が「ウニー!」と目を輝かせるのですが、商売はその目の輝きが大切な気が藤田にはしており。。。お得すぎるふるさと納税。しかし『役所が売上の大半を持っていく問題』があります。そこで、
- ふるさと納税の発送便に、ネットショップのQRコードを書いた名刺をいれておく
のはどうか?と編集長河上が考えてくれたのです。すごい!
また、ネットショップにも説明は書いているのですが、ウニは大自然の恵みなので発送日が読めないのが大きな難点。着日が指定できないので、お客様からみたらいきなり届くわけです。何かと都合もあるし、生鮮のものがいきなり着くのはちょっと困りますよね。
それを編集長河上がデザイン思考で考えると・・・
- ふるさと納税だと着日指定不可だがネットショップだと“プチお急ぎ便“として月指定だけできる
というアイデアをくれたのです!!!!!
これなら、ちょっとだけ予定が立ちますよね。デザイン思考すごい!
SNSを駆使した新しいウニ屋さん
インスタで投稿してもらうと何が起きるか?
そして、SNSの使い方も編集長河上に教わりました。インスタなどで「#ウニ祭り」とつけて投稿してもらう!ハッシュタグを付けて投稿すると何が起きるか?
- 加工している女工さん達がウニの行く末をみて喜ぶ
ということ!これは素敵です。だって工場の人って、自分たちの作ったプロダクトがどこで喜ばれているかなんて、わからないですよね。でも、それがわかればとても嬉しい・・・。そして、お客様から見てもSNSで「ウニを食べている私」を自慢するのはさらに楽しい。ちょいワンランク上の時間を楽しんでるんですよ、というマウント(暗黙の自慢メッセージ)になるわけです。
LINE@に登録してもらうと何が起きるか?
さらにLINEの使い方も教わりました。LINE@に登録してもらうのもいいですね。LINEの会員になってもらうと卵かけご飯用の塩を送ると。でもLINE@はLステップだナーチャリングだのせず、年に一度、たまに、ほんとうにたまに、気が向いたときに送るだけ。
目的は忘れられないこと。「大喜のウニで幸せになれた」という定番の行事になればそれで勝ちなのです。
さっそく社長(母)に報告だ!
そして、さっそくこれらを母親に報告しました。アイデアをどうか聞くと、「わからん」とのこと。深く聞いてみると「今のネットショップが軌道に乗ったら考えよう」とのことでした。まず、千葉県に住む私の運営するネットショップがオーダーを受けお客様対応をして、伝票を書いて根室に送付し、根室にある工場では伝票を貼るだけという楽ちんな状態で運用をスタートして、それが軌道に乗ったら、いろいろ考えよう、という意味です。
なるほど、まずはやってきてくれたお客様への対応を私がちゃんと行い、発送管理までしてお喜びいただいたのを見届けること。その日々が積み重なってはじめて、こうしたアイデアが実現する、ということなのだと理解しました。母親は社長であり、ウニ屋は宝物を取り扱っているみたいなものですから、いろいろな人がいろいろなことをいいますし、「右から左にウニを流すだけで儲けたいと考える本州の人も多い」と言っていました。
確かに、移住して毎朝3時に起きて寒い思いをして必死で働いた結果としての宝物のウニを、本州でパソコンの前にいながら右から左に流すだけで儲けたいと考える人を、親は認めないのでしょう。私ももっと熱心に仕事して、考えて、実践して信用を積み上げていく必要があります。
まとめ:仕事とは信用の積み重ね
アイデアだけではなかなか認められない世の中。まず信用を積み重ねる必要があります。日々の私の働く姿勢や生活態度、そして周囲の人への感謝や配慮が堆積したものであり、仕事とは信用を重ねに重ねるもので時間がかかるのです。思えば文章書きの仕事も、こうしてビジポコで書かせてもらえるようなライターに成長するまでとてつもない時間がかかりました。
仕事とは信用。信用とは積み重ね。そして時間がかかる。。。
そのことを肝に銘じつつも、それでも未来にはネットショップを通じてウニをたくさんの人に食べてもらって「生きていて良かった」と思ってもらいたい・・・そんな家族の気持ちをたくさんみんなにお届けしていけたらなと思っています。
そして他でもないデザイン思考において仮説検証の大切さも学びました。さらには、当たっていたとしてもそれを社長が実行するとは限らないことも。これは難しい問題です。しかしだからといって仮説に意味がないわけではなく、むしろ大切です。
今回の学びは以下のようになります。
【デザイン思考によるウニショップの学び】
- ふるさと納税の出荷時にネットショップのQRコードを張った名刺をいれる
- ハッシュタグ「#ウニ祭り」で投稿してもらうが、その理由は働く喜びを創出するため
- お急ぎ便だけネットショップで、のんびり着ならふるさと納税で
- 社長が実行するとは限らないが、それでも仮説は大切。