デザインがイケてないなら、感動を見直せ?!

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ビジポコのライター藤田です。

藤田の実家は、北海道でウニの加工卸を営んでいます。北方領土で採れたウニを港で買い付け、工場で加工して豊洲市場を中心とした公設市場に卸したり、根室市のふるさと納税を担当したり。みなさまに美味しいウニを食べてもらって「生きていて良かった!」と思ってもらいたい、そんな気持ちでやっています。

 

さて、年末にかけてウニの時価は跳ね上がります。特に今年は赤潮の関係でウニが高くなってしまいました。250グラムが2枚(大人4人前)で10万円はくだらないウニ。工場を仕切る母は、「ちょっといい化粧箱に入れたでぇ^^」と関西弁でご機嫌。

 

しかし実際の箱を見て、藤田は絶句してしまいます。デザインがイケてないのです。

とにかくスタイリッシュにしてほしいと暴れる藤田に、ビジポコ編集長河上はなんと答えるのでしょうか・・・?

 

今回のビジポコは、化粧箱やパッケージ、そして営業(のような)話です!

イケてない化粧箱を夫は「田舎っぽくて逆に良い」という

 

 

「どうや~素敵やろ^^」とご機嫌に語る母のメッセージと、送られてきたパッケージ画像をみて私は脱力しました。よく見ると改行も変だし。

 

 

美味しい雲丹をお

楽しみください。

 

と、「お」の後で改行になっています。これはひどい。私はもっと都会的でスタイリッシュなデザインが良いのです。知人に見せたら皆同じ感想。ただ、夫だけは「ダサい方がいいよ。田舎をウリにした方が良いんだよ」といいます。

 

私たちは激論を交わしてしまいました。

根室そっちのけでパッケージ論争が起こったところで、私は包装紙のデザイナーを探そうかと考えていました。ただ、「デザイン思考」を学んでいるのに、「デザイン」をテキトーに発注するわけにもいかず、ビジポコ編集長の河上に相談してみたのです。

 

すべてがゴージャスである必要はない

 

河上はいいます。

「高級なウニ。だからといってすべてがゴージャスである必要はないんです。たとえば、iPhoneの箱は、蓋を取った瞬間に負圧がかかるようになっていて、開けた瞬間のスーっという感覚がやみつきになりますし、そこが最大の見せ場なんです。そして中のお宝が輝くのであれば、パッケージは地味でも良い。 ウニだって、すべてをエレガントにゴージャスにゴテゴテに飾る必要はないんです。」

 

「すべて全力投球でも良いのですが、一度考えてみてもいいんじゃないでしょうか。」

 

どこで喜ばれるか?というポイントを考えよう

 

そして、重要なことを教えてくれました。それは「そもそも商品(ウニ)をどこで喜ばれるか」を考えてみてはどうかというもの。

 

パッケージを考えるにしても、

 

  • 箱を開いたときに中でウニがゴージャスに輝いていて欲しいのか。
  • 自宅でウニ祭りを開いて写真を撮ったときに少しパッケージが見切れていて欲しいのか
  • 木箱に印を付け、写真として映える角度を提案するのか

 

箱を開ける瞬間なのか、写真のシェアの時なのか。

どこにポイントを持ってくるかで、物理的なパッケージの設計が変わってくるというのです。何を意図しているか、によって設計すべきデザインが異なってくると。

 

これは目からうろこです!!!!

「SNSに乗っけてもらうのであれば、ロゴを正面に据えて、反対側から別の方のスマホで照らしてもらって、正面から撮影。これで写真が良くなりますという解説の紙を入れることも可能です。」

(参考:食べ物を美味しそうに撮る技術 https://youtu.be/uYNJxYin3eg?t=298

 

また、買ってくれたお客さんがあらためて寿司屋に行ったとき、箱が大喜のものだったら、それはそれは喜ばれることでしょう!

 

上記を踏まえながら、パッケージについてあらためて考えてみたいです!

 

「ぎょっ」とさせる魔法

 

仮に素敵なパッケージができたとしても、買ってくれる人がいなくては意味がありません。じゃあどうやって誰かにとどけるか。夫は「税理士である大家さんや不動産やさんの事務所に持っていって、従業員さんにウニを配れば? 美味しいので今度あらためて買ってくれるかも」といいます。

 

なるほど。うーんと悩む私。だって、税理士さんや不動産屋さんは、何かと頂き物慣れしていて、慣れきっていてあまり感動してくれないかも。「ありがとうございます」で終わってしまいそうな・・・

 

すると、河上は例を出して教えてくれました。

 

「政治家の田中角栄は、冠婚葬祭や誰かにお金を渡すとき、相場の10倍渡したと言います。たとえば、結婚式のご祝儀で政治家の相場が10万円だったら100万円渡したのです。これが仮に2倍だと、先方も驚きお礼は言ったとしても、記憶にはのこりづらい。生きたお金にはならない。」

それが10倍、100万円だとぎょっとして記憶に残るので、生きたお金になるんです。そのぎょっとさせることが大事なんです。ぎょっとさせて、いつまでも心に残り続けることが大切なんです。」

 

いかにぎょっとさせるか。自分のためにありがとうという気持ち。心を動かす方法は、ぎょっとさせることだというのです。

ぎょっとさせること。。。たとえば、一個350円のウニ塩をプレゼントしたところで、喜ばれはするでしょうが「ぎょっ」とまではいかないかも。ぎょっとさせて記憶に残る、とまではいかないことでしょう。

 

これは良いことを聞きました。みなさんも何か相手の記憶に残りたければ、「ぎょっ」とするを心がけてみてはいかがでしょうか。

 

ビジポコの学び

 

今回も学びがいっぱいです。パッケージをはじめとして、何もかもにお金をかけてゴージャスにするだけが喜ばれる道ではないということ。自分がどこで喜んでもらいたいかを考えることで、それがデザインをどうするかにつながること。

デザインについては、10月に購入してくださったお客様の反応を見つつ、自分がどこで喜んでもらいたいか。このウニを通じて、食べてくださったお客様の感動ポイントをどこで設計するか、をじっくり考えてみようと思います。

 

どこで喜ばれるかの感動ポイント。そのためには、デザイン思考の「聞いてみる」を実践しようと思います。毎日ご飯を食べる上で、ウニちゃんの強みはどこなのか。そしてうちのウニちゃんの魅力は何なのか。お客様はウニ祭りを通じて、どの瞬間に「生きていて良かった!」と思ってくれるのか。またまた考えることが増えて嬉しい悲鳴です!

 

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ライター藤田は、ウニ屋の娘です。創業者である母親が国の専業主婦1円起業枠でゼロから立ち上げた北海道根室市のウニ屋の娘で、ディスカッションを楽しく学びある記事に仕上げます。

 

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