顧客とどう付き合いたいかでデザイン思考まで変わってくる!

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ビジポコのライター藤田です。

 

デザイン思考を学んでおり、その威力に驚く体験が増えた日々です。

そして、日常でもデザインを意識して生活するようになりました。たとえば、家の小物を買う際、デザインや使い勝手を意識して買うようになったのです。

 

画像の『iwakiのふりかけボトル』は私のお気に入りなのですが、「持ちやすさを考えて、下部へ広がるカーブにしてあるのかな」とか、「口が広いからあえてふりかけ用なんだろうか」とか「グッドデザイン賞を取ったとのこと。何に惹かれるのだろう?」とか考えながらながめると楽しいです。

https://www.amazon.co.jp/iwaki-KT5031-BKF-%E3%81%B5%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%81%91%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%AB/dp/B002JCS5L8

 

同じiwakiでもオイルボトルよりふりかけボトルの方が可愛い気がする理由はどこにあるのだろうと考えつつ、あることが疑問に浮かびました。

 

「日本のグッドデザインは機能美とデザイン性のバランスが取れているけど、海外製品はデザインに“全振り”している気がするなあ。デザイン思考も同じように、国による違いがあるのだろうか?」と。

 

今回のビジポコはデザイン思考の専門家である、編集長河上との討論を通じて、なぜデザインに違いが生まれるのか、そして派閥があって何が異なるのか。最終的には『顧客とどう付き合っていきたいかの哲学』の部分に落ち着くという話です。

可愛いボトルを天国に持っていきたい!

 

30年前、本屋で何気なく『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』(ロバート・フルガム著)を手に取りました。出会った場所は空港の本屋さんで、高校生だった私は留学に向かう飛行機の暇つぶしに海外の人が書いたエッセイを買ってみたのです。本当に面白いエッセイで夢中になって読み、あっという間に留学先に着きました。飛行機が一緒だった友達らも回し読みし、みんな「面白い」「面白い」といって本の取り合いになっていたのです。

 

豊富な人生経験と豊かな表現力を下地にしたフルガム牧師のエピソードなのですが、ある章では「僕は皿洗いを熱心にやらない。死ぬときに台所のタッパーは持って行けないし、持っていきたいとも思わないだろう」的なことが書いてあったのを覚えています。

 

高校生だった私はそれに影響を受け、あろうことか長い間家の中を軽視していました。死ぬときにあの世へタッパーを持っていきたいと思わないという話に共感したからです。

 

しかし、冒頭のiwakiのふりかけボトル。ちょっとあの世に持っていきたいなと思う可愛さです。

 

ボトル熱に火がついた私は、さらに探し、ichendorfのオイルボトルに惹かれました。イタリア製のオリーブオイル用ボトルです。

https://www.ornedefeuilles.com/collections/ichendorf/products/ichendorf-oilbottle?variant=40233786572988

 

「洗いづらいだろ」という夫の非情なツッコミを華麗に無視しながら、キッチンに立つたびうっとりしています。洗いづらいのは事実です。考えてみると日本のデザインは機能美+デザイン性っぽいのに対し、海外のグッドデザインは美だけに全部ステータスを振っているような気がします。

 

流派や派閥は何のため?

 

「デザイン思考にも、違いや流派ってあるのかな?」

 

そんな疑問に河上は「日本と海外のデザイン思考には違いがあります。それに日本でも流派は存在しますよ。デザイン思考もマインドが重要だ派閥と、方法論なのでそちらに全振りだ派閥と、いろいろあります。細かいことをいえば、観察しないとダメだ派もあれば、観察しても意味がない派もあります。」

 

「ただ、結局は“方法論売り“をしたい人達が適当なことを言っているだけだと思っています。その方がお金になりますからね。」

 

「『論理的とはどういうことか?』みたいな話です。ロジカルシンキングの講座を、全員がお金を払って受講するわけでもないですよね。講座を受けていないけれどロジカルな人はいますし。変数はそのあたりかと。」

 

「売れりゃいい」の先へ

 

デザイン性の高いボトルもデザイン思考と似ているのかも。イタリア製のオイルボトルは見た目が綺麗だから売れるけど、実用的なのは機能美のほう。

 

「見た目が綺麗なら売れますよね。でも、『映える料理』が美味しいとは限らないのと同じではないでしょうか。」

 

なるほど、なんとなくiwakiのデザインに魅力を感じる理由がわかってきたような・・・。

 

「デザイン思考で大切なのは、何を目的に検討するか、ということ。仮に売れるだけでいいなら、売るために何をするか、を検討するでしょう。そして売り切って終わり。ただ、使い続けてもらうことを考えるなら、使い勝手のいい物を作る。」

 

顧客とどう付き合っていきたいかの部分

 

河上は続けます。

 

「“売り切り”なのか“サブスク(月額課金)”なのか。そのあたりのビジネスモデルも最後は入ってきます。サブスクは継続してもらえると売り上げが増え続けるのですが、売り切りは売ったらそれで終わり。なので製品をいかに売るかが重要になるのです。サブスクはいかに継続してもらえるかが重要になる。こうして、売り方1つで究極的にはどういう風に顧客と付き合っていきたいか、経営したいか、という部分で変わるような気がしています。」

 

創業の想いとか、仕事を通じて何を成したいのか。顧客とどう付き合っていきたいのか。もちろん目先の売上を追い求めることはあると思いますが、その売上すら、顧客との付き合いをどう求めるかにかかってくる・・・そんな気がしました。

 

顧客とどう付き合いたいか考えよう

 

売り切って逃げるもひとつの手かもしれませんが、それだと無限に新規集客し続ける必要があります。世界には人口が60億人。日本には中小企業が3万社あるとのことですから、売り切ってほかの人をどんどん呼べるのであれば売り切り型もありかもしれません。

 

しかしお客さんと長く付き合っていきたいと思うのであれば、サブスク型もいいですね。たとえば、スーパーも薄利多売で大変そうですが、コストコは会員制で儲けを出しています。コストコはほぼ原価に近い形で商品を販売しているためとても安く、熱狂的なファンがいます。コストコの収益源が2022年現在、4,840円~の年会費です。

 

説明するまでもないですが、コストコは会員のみが入店でき、圧倒的に安い代わりに大量売りの商品を買うことで、お客さんはとても得した気分になれ、店は会費で儲かるという仕組みです。さらに、コストコは儲けを時給に還元し、いち早く全国同一労働同一賃金を達成した企業でもあります。

 

時給は全国の店舗で1,200円~に設定し、周囲のお店の時給が釣られて上がるほど。私はコストコ幕張店ができた頃、チラシをよく見ていましたが、実際にまわりの店の時給も、コストコに釣られて上がる現象を見せていました。(コストコの話は次回に続きます。)

 

利益を上げれば周囲にいろいろいい影響を与えられる、けれど、その利益そのものは、「どうお客さんと付き合いたいか」で決まってくるのです。

 

ビジポコの学び

 

美しいボトルを眺めつつ、デザイン思考の専門家である編集長河上に教わった、デザイン思考そのものの本質。私はiwakiもichendorfもリピートして新しいボトルやマグカップを揃えました。「“イタリア製“という名前の中国メーカーじゃないの?」と嬉しそうにこきおろしてくる夫にちょっぴりイライラしながら、キッチンでにんまりしています。

 

人生の終わりにあの世に持っていきたいなと思えるぐらい素敵なプロダクトが優れたデザインから生まれるように、ビジネスモデルも優れたデザイン思考で考えられます。そしてビジネスモデルもデザインも、「お客さんとどう付き合いたい?」という問いへの答えから生まれるのです。

 

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ライター藤田は、ウニ屋の娘です。創業者である母親が国の専業主婦1円起業枠でゼロから立ち上げた北海道根室市のウニ屋の娘で、ディスカッションを楽しく学びある記事に仕上げます。

 

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