『ドリルと穴』のアレゴリー。不要なドリルを売らないためには?

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ビジポコ編集長・河上へ色々聞いてみよう!のコーナーです。

 

自分自身もそして事業も成長していきたいと思うとき。まず世の中に価値を提供する必要があります。自分が成功した話をするとか、成功者の話を聞きに行くのはあくまでオマケ。「仕事の本質は役立つこと」だと、ビジポコ編集長・河上より最初に習いました。この「仕事の本質は役立つ」をしっかり理解する必要があります。

 

では、『価値』って何なのでしょうか?

 

たとえば、有名なアレゴリー(比喩)に『ドリルを売るな、穴を売れ』があります。ドリル屋さんはドリルを売っているようでありながら、顧客はドリルそのものを求めている訳ではなく、本当は穴を求めているのだ、だからドリルを売るな、穴を売れと解説した本のタイトルです。

 

このドリルと穴のアレゴリーはとても有名でなおかつ示唆的です。ドリルを売りたいドリル屋さんと、穴を開けたい顧客の取引に何の違法性もありません。とてもまっとうな商売です。ただ、現実に当てはめるとややモヤモヤします。私はいつも、世の中を見渡してみつけた色々なモヤモヤをビジポコ編集長に読み解いてもらおうとするのですが、興味深い発見と着想をいただいたので今回はその話です。

 

「ドリルを売ろうと思うがあまり、“ドリルありき”でコトを進めると、とても微妙な結果になる」とビジポコ編集長・河上はいいます。さらにこのドリルと穴のアレゴリーは、私のような文筆家であり、ウニ屋の売り子さんであるような人、そして●●屋さんと名のつくすべての商売人に関係のある、「顧客はそもそも穴を求めていなかった」という話に行き着くのです。

 

今回のビジポコは、『ドリルを売るな、穴を売れ』のアレゴリーを下地にしながら、私藤田が海浜幕張で遭遇した微妙な出来事と、ビジポコ編集長・河上がそれを元に読み解いてくれた“「ドリルを売るなら穴を売れ」、では足りない”話をお届けします!

 

【ビジポコの学び】

  • 「ドリルを売るなら穴を売れ」では足りない
  • なぜドリルが必要なのか。穴を何に使うのか。本当にその穴は開ける必要があるのか聞く
  • そこまで聞けて始めて一流のドリル屋さんになれる
  • 違いのわかるドリル屋さんになるには、見てわかる項目が必要

 

バーチャルオフィスのホームページには・・・

 

先日、事務所を借りに海浜幕張へ出かけました。登記用の住所を借りるためです。そこで面談がありました。怪しい商売をしていないか、社長自ら実態をチェックするわけです。それは納得済みなのでいいのですが、先方の社長に私自身の事業の説明をし「私はホームページ(顧客のオウンドメディア)を作ったり、そこに載せる文章を書いたりしています」と伝えると、「うちはホームページに800記事ある」と先方の社長が言うのです。

 

バーチャルオフィス・シェアオフィス屋さんとして全国展開しているとはいえ、海浜幕張には他にバーチャルオフィスはありませんから、SEO(検索エンジン対策)でとっくに1位になっています。特段の競争相手もいないのに、800記事持っていると。そんなに激しい競争をしていないのであれば、ホームページにブログや原稿を800記事も持つ必要はないと個人的に思います。

 

びっくりしたのですが、何もいいませんでした。ただ、言葉に詰まったのは事実です。そこで、このモヤモヤをビジポコ編集会議で編集長河上にぶつけてみました。

 

欲しいのはドリルでも穴でもなかった顧客

 

—海浜幕張でこんなことがあったんです。でも商売としては成立していますよね?

 

ビジポコ編集長・河上「ドリルと穴でいうなら顧客は穴(原稿)を求め、店(原稿屋さん)はドリル(原稿)を売ったわけで、そこに何の違法性もありません。」

 

—ただ、なんかモヤモヤします。

 

河「顧客が欲しいものは、ドリル(原稿)でも穴(SEO対策)でもなかったってことです。」

 

–なるほど!違法性がないクリーンな取引として成立していますが、そもそもお客さんが欲しいのはドリルでも穴でもないし、、、ということですね。微妙なモノを売ってしまって、顧客もドリルを見る度に「私はドリルが欲しかったのだろうか?」と思うわけですね。さらにSDGsの観点から見ても問題がありますね笑

 

河「顧客は『ドリルをくれ』といってくるが、穴が欲しいかすら微妙です。マーケティングと称していらないものを売りつけるケースが多すぎるので。本当に穴が欲しいか、わかっていないのです。だから、「聞く」が必要になってくるのです。

 

ドリル屋さん「このドリルを何に使うんですか?」

顧客「リビングの壁に穴を開けたいから」

ド「どのぐらいの穴ですか?」

顧「1センチぐらいかな」

ド「穴を開けて何に使うんですか?」

顧「インターネットのケーブルを通すんです」

ド「穴いらないですよ。無線で飛ばせるので」

 

河「みたいな話になります。するとドリルは売れないのですが、必要としてない顧客への販売を避けられ、さらに他店とは少し違いのあるドリル屋さんになれるのです。」

 

こだわりを伝える方法

 

いつか来る競争に勝ちたいと願う貸しオフィスの社長に、どこかの店が「SEO対策しましょう」と(おそらく)言って、原稿を800記事売った。しかし800記事も原稿が本当に必要だったかは、私のようなライターの目からしたら疑問が残ります。つまり、顧客は穴を求め、ドリル屋さんもドリルを売りましたが、顧客が本当に欲しいものは穴でもドリルでもなかったわけです。

 

このような不幸を避けるため、また「あそこのドリル屋さんは少し違うね」となるために、顧客に聞きましょう。「このドリルを何に使うのですか?」と。本当にドリルが必要なのか、ドリル屋さんはちゃんとわかっているはずだからです。その専門性をちゃんと発揮してこそ、「違いのわかるドリル屋さん」になれると。

 

河「こだわりを目に見える項目で伝えるのも大切です。パッと見て、『●●だからうちは違うんです』ときちんと●●を伝えると、顧客は理解できるのです。」

 

–目に見えてわかる項目。ドリル屋さんなら、「私は元々コンサルタントのドリル屋さんなので、顧客の要望の真相が気になるのです」とか、ライターの私で言うなら、「オウンドメディアの結果が出るのは私がランサーズで1200以上の案件を受けたのと、『デザイン思考を学んでいるから』です。デザイン思考を学んでいるから結果がでるのです」とか。

 

項目の違いを伝えるようにします。デザイン思考をインストールするべく日々努力しているから、私の文章は結果が出るし、違いがあるのです、と伝えたらなんか説得力がありますね。

 

ビジポコの学び

 

今回もビジポコ編集長よりめちゃめちゃ学びました。

 

  • 「ドリルを売るなら穴を売れ」のアレゴリーは示唆的
  • なぜドリルが必要なのか。穴を何に使うのか。本当にその穴は開ける必要があるのか聞く
  • そこまで聞けて始めて一流のドリル屋さんになれる
  • 違いのわかるドリル屋さんになるには、見てわかる項目を伝えていく

 

「ドリルを売るなら穴を売れ」では足りないのです。

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ライター藤田は、ウニ屋の娘です。創業者である母親が国の専業主婦1円起業枠でゼロから立ち上げた北海道根室市のウニ屋の娘で、ディスカッションを楽しく学びある記事に仕上げます。

 

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