ビジネスに一番効く読書はSFである

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ビジポコ編集長からご指導いただき、ビジネス戦闘力をアップさせようのコーナーです。

今回は読書について。読書、していますか? 編集長によると実は「ビジネスに一番効く読書はSFである」とのこと。SF=サイエンス・フィクションです。

 

「特に1980年代のハヤカワ文庫とかはもうめちゃくちゃ勉強になりますよ」とのこと。SFは、恥ずかしながらライター藤田はもっとも苦手とするジャンルでした。SFがどう勉強になって、何を学び取れるのか。今回のビジポコは読書の話です!

 

ビジネス書以外も読書していますか?

 

「本を読むことは、心の貯金をするようなものです。いろんな本を読んでください」と村上春樹先生は言っています。当然ながら、これをお読みのみなさまもたくさんお読みになっていることでしょう。

 

ちなみにどうでもいい情報ですがライター藤田が最近読んだ本は以下になります。

 

プルースト『失われた時を求めて』

セネカ『人生の短さについて』

ポー『黒猫』

大沢在昌 『新宿鮫』

ちきりん『自分の意見で生きていこう』

ミニマリストしぶ『手放す練習』

中央公論(雑誌)『親ガチャの研究』

 

あとは恋愛モノの漫画にたくさん課金しています。難しい本がどうしても読めないので好きになれそうな本だけをつまんでいます。ロマン主義、古代ローマ哲学、傑作ミステリ、現代サスペンス、思考、ライフスタイル、それから自分の年代に応じた雑誌と、バランスよく読んでいるつもりでした。

 

とくにプルーストはよかったです。過剰なまでに神経過敏な書き手で、個人主義の時代に精神を病み、それでも生きようと・・・的なところが自分のことのようで没入してしまいました。

 

しかし、SFです。編集長はSFがいいと言います。

 

ビジネスに効く読書、SFの魅力

 

編集長「1980年代にハヤカワ文庫より『戦闘妖精・雪風』というSFが出て、最近読み返しています。エイリアンが攻めてきて途中の星まで押し返すんですが、地球は地球で平和なんです。ほかの惑星で戦闘機乗りがひたすら戦うんです。」

 

ほかの惑星で血が流れているのに、地球は平和・・・。現実でも世界で血が流れているのに日本のテレビではワンコの特集を見てケラケラ笑っているような感じですね。

 

編集長「でエイリアンから見ると、『戦闘機にへばりついているあの有機体は何?』となるわけです。 つまり機械と宇宙人が戦っているわけで、地球人が必死で戦っても向こうから見たら機械にべっとりくっついている有機体にしか見えない場合があると」

 

ひえええ、人間がべっとりくっついた有機体・・・。

 

編集長「そこで人工知能が出撃します。エイリアンの存在は見たこともないし、しゃべったこともない。姿もわからない。ただ自分たちは戦闘機しかみたことがないのです。そうした状況下での人間の振る舞いとか、葛藤とか、そこが克明に書かれていて、今読んでもすごく勉強になるんです。」

 

なるほど、人間の本質が描かれていて、しかも1980年代のSFだから未知の科学技術と人間の付き合いが描かれている訳か・・・それだけで面白そう!

 

編集長「たとえば、SEOライティングの話にしても、アルゴリズムに選ばれる必要があるわけです。自動運転もまた全盛の時代になると人間がどの道を走るかは決めません。機械が決めるわけです。アルゴリズムに選ばれる道路になる必要があります。SFと同じで手元の機械が頑張ってくれると。そこが人間からするとどういうことなのか。SFでは戦闘ですよね。アルゴリズムに任せればいいだけなんですが、人間が人間として生きることに意味があり、葛藤があるわけです。そこがより濃く文字で描かれているのがSFなわけです。」

 

ラブストーリーはビジネスに効くのか?

 

私藤田はライトノベルや漫画はラブストーリーばっかり読んでいました。高校生の惚れたはれたの話から、社内恋愛、禁断の恋(!)に至るまで、ロマンスの話ばっかり読んでいて情けない・・・。

 

編集長「ラブストーリーも大事ですよ。少子高齢化で愛が減っている時代。婚活婚活と、もはや自力では愛すらつかめない時代に、ラブストーリーがどう生まれるのか。」

 

村上春樹先生は、「物語は言葉が失われたところから始まります。」と言っています。実際、恋愛モノの漫画は同じような話をくり返し表現してるように見えながら、たいていの場合、ヒロイン自身の言葉が失われ、欠けた何かを手に入れようともがくところから始まります。そして転んだりつまずいたりしながら、失われた言葉を取り戻していく話が多いです。その回復の話が多いんですよね…。

 

言葉が失われた状態とは、たとえば胸の鼓動の正体(ようするに恋)がわからなかったり、なぜ相手に惹かれるのかうまく説明がつかなかったり、パートナーがいるのにコミュニケーションが断絶していたり。失われた状態から、ヒロインがガッツで何かを取り戻していく姿がすごく勇気づけられるのですよね・・・。

 

編集長「村上春樹はかっこいいですね笑 人間を相手にする商売で、アルゴリズムに気に入られるだけではないところが大切です。人とは一体何なのか。あるプロダクトに熱烈に惹かれる理由。人に対する好奇心を持ち続けるのにストーリー性はとても大切なので。」

 

SFがビジネスに効くさらなる理由

 

編集長「よく『歴史を知ると未来が見える』と説明する人がいます。だから歴史を学んだり本を読んだりが大事だというのです。その上で、同じノリでSFをちゃんと読むのはとても大切。たとえば、昔は誰かの笑顔のために働いていた訳です。製造業などは顕著ですが、働き手はネジを一個一個締めて、最終的にできあがったモノがお客さんの笑顔になります。最後はお客さんが喜ぶわけですが、物理的には働き手は1秒でも早くネジを締めることに集中すると。」

 

分業社会ですからね・・・。

 

編集長「アルゴリズムに愛されさえすればラッキーで、顧客の顔がどんどん遠くなっていく。誰かの笑顔のために働いていたものが、どんどんその誰かの存在が遠くなっていく…」

 

まさにSFで描かれる世界!

 

編集長「とくに、東洋の人達は「男ってバカよね。成功しても女性関係で失敗して家族を失い、最終的にひとりぼっちで死ぬなんて。本当に男ってバカ」的な価値観を持っています。一方で欧州の人たちは、自分史を作って「●年に何をして、▼年に何をした」的な年表を通じ、今日より明日はよくなるよという進歩的な考えを持っています。」

 

日本人は?

 

編集長「日本人は、脱亜入欧して両方できる変な人たちです。SFが未来を指し示し、現実とまったく同じとはいかなくとも違う未来を見せてくれます。だから新鮮な話に感じられるし、とても興味深く感じられるはず。」

 

ビジポコの学び

 

1980年代のミステリ作家が見せてくれる人間のあり方の中にこそ、機械やデータやアルゴリズムと共存している今の世の中に必要な何かがあるという…。ビジネスに効きそう!

 

編集長「やっぱりビジネス書だけを読んでいる人の話を聞きたいとは誰も思わないわけです。何かに熱烈に惹かれるにはそこにストーリーがあります。」

 

なるほど、人に対し、また自分に対し好奇心を持ち続けること。きっとその下地にはストーリーがあるはず。なぜ今月はプルーストの表現に惹かれたのか。梅雨どきのせいか、それとも本質的な何かか。それよりSFがとても面白そう!

 

編集長「ただし、おもしろそうというだけで読まない人も大勢います。」

 

座学での勉強や学び自体はとても楽しいですが、行動に移すのはとてもハードルが高い。私もそうです。とくに観念的な人間は脳内に暮らす傾向があり、そこからさらに読書で別の世界にいくとなるとハードルが・・・。しかし編集長によると「KindleをSiriに読ませれば3時間ぐらいです」とのことですので、ぜひみなさんもSFを読みましょう!

 

 

(アフィリエイトリンクではありません

 

 

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