ビジポコ藤田です。
将来的には実家のウニ屋をお手伝いしたいと思いつつも、今は、書き仕事が中心なのですが、出版やライターの業界には、このような風説が存在します。
「出版社には『自伝を本にしたら売れる』と定年退職後の方からの原稿企画が山ほど持ち込まれる」
「どの小説の公募にも働いていた頃の自分を主人公にしたおじさんの私小説が送られてくる」
自分の人生こそは、書籍になって読まれる価値があると、おじさんに限らず誰しもが思うのではないでしょうか。語りたい欲を家族の代わりに聞いて雑誌に仕上げる『親の雑誌』という商売まで存在します。
超有名人でもない誰かの自伝。関係者以外、読みたいとはあまり思わないですよね。取材記事が読まれないのもまさに同じ構造があります。
- 誰しも自分を語りたい
- 誰しも人の語りは聞きたくないと
- 誰しも「自分だけは語る価値がある」と思う
一方で、地下鉄サリン事件の被害者の方々の人生を書いた『アンダーグラウンド』(村上春樹 著)は、凄惨な事件に遭遇するまでの日々を描いています。読み手は、人生を大きく揺るがす事件に遭遇という緊張感を持ちながら、彼ら/彼女らの凝縮された日常に、超一流の書き手の腕でぐいぐい引き込まれてしまうのです。
私も、「自分を語るよりは、誰かの人生を文章の力で永遠に刻みつける仕事がしてみたいなあ」と思います。だからこそ、ビジポコでみなさんのこれまでの人生、周りの方への想い、そして考えたビジネスの計画を聞いて文章にできたらな~とは夢をみています。
一方、ウニ屋です。ウニを届けたいとは思いますが、夢がみつからないと、ダダをこねているのです。